熱海を舞台にした漫画「綺麗(きれい)にしてもらえますか。」(ヤングガンガンコミックス)第10巻が8月25日、全国の書店などで販売される。
25日発売の「綺麗にしてもらえますか。」10巻表紙(関連画像4枚)
ヤングガンガン(スクウェア・エニックス)に連載された「綺麗にしてもらえますか。」は、6月2日発売の同誌12号で最終回を迎えた。単行本は2018(平成30)年3月に第1巻を出版。25日発売の10巻に最終話を収める。熱海のクリーニング店「キンメクリーニング」を営む主人公・金目綿花奈(きんめわかな)と客や住民との日常を描く。
著者のはっとりみつるさんは、2016(平成28)年に熱海に移住し、熱海の風景や名所を作品に表現してきた。同作で描かれる各所は、ファンの間で「聖地化」されて多くの人が訪れる観光スポットにもなっている。
連載を終えて、「連載中の6年間、大きなトラブルもなく無事に終わることができてホッとしている」とはっとりさん。「ちょうど連載を開始する少し前に熱海駅が新しくなって街中にも新しい店がたくさんでき、どんどんと変化しているように感じるが、街を散策してみると昔から全く変わらない場所や老舗もたくさんある。その両方が共存しているところが熱海らしくて良いところ」とも。
漫画にも登場する初川や糸川沿いの生活と観光が混ざり合ったような雰囲気が好きだというはっとりさん。「綺麗にしてもらえますか。」の特設コーナーを設ける未来屋書店熱海店(熱海市中央町)では、漫画に描かれる場所をスタッフ手作りの地図に記した「聖地巡礼マップ」を店内に掲げてきた。同店スタッフの岩渕利江さんは「ファンが全国から来店して漫画に登場するスポットを訪れている。はっとりさんが描く熱海と実際の熱海の雰囲気が同じで、本当に金目さんがいそうだねと言われることもある」と話す。
連載終了後は、年に数回の読み切りでの掲載を予定しているという。「冬に第1弾の読み切りを掲載する予定。金目さんの暮らしをこれからもゆっくり見守ってもらえれば」とはっとりさん。岩渕さんは「連載終了は残念だが、まだ漫画は続くので、熱海に住んでいる人にも手に取ってもらって楽しんでもらえれば」と呼びかける。