熱海を舞台にした小説「熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします」(スターツ出版文庫)続編の連載が2月1日、小説サイト「ノベマ!」で始まる。小説にはモデルになった熱海の各所が登場し、熱海の風景を思い起こさせる内容となっている。
「熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします」は2020年6月28日に出版された小説で、静岡県東部出身の作家、小春りんさんの16作目の小説。今回連載が始まる続編のタイトルは「熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁が、笑顔の花を咲かせます!」。「ノベマ!」はスターツ出版が運営する小説投稿サイトで、ウェブ上で無料で読むことができる。2月1日に1話目を公開し、毎週月曜に新話を更新する。
続編公開に当たり、小春さんは「前作の『熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします』を書き終えた時点で、絶対に続きを書きたいと考えていた。続編では、前作で書ききれなかった主人公・花の恋の行方だけでなく、箱根にあるライバル旅館の若旦那・政宗(まさむね)が現れたことで次々と問題が巻き起こるなど、とにかくにぎやかで読み応えのある内容になっている。付喪(つくも)神様専用のお宿『熱海温泉・極楽湯屋つくも』で従業員として働いている付喪神の過去も絡むなど、ハラハラほっこりしながら楽しんでいただけたら」と話す。
小春さんは2013(平成25)年、KADOKAWAからの出版で作家デビュー。元々はデザイナーで、通勤時間に携帯電話に書いた小説をウェブサイトに投稿し始めたのが作家になったきっかけ。2016(平成28)年、「第10回日本ケータイ小説大賞」で大賞・TSUTAYA賞・auブックパス賞を同時受賞。受賞作「はちみつ色の太陽」はスターツ出版より書籍化され、「りぼん春の大増刊号」(集英社)でコミカライズもされた。
「熱海温泉 つくも神様のお宿で花嫁修業いたします」は、スターツ出版キャラクター小説大賞で大賞を受賞した作品。小春さんは「熱海は昔からなじみの場所で、デザイナーをしていたころにも熱海に縁があり、大好きな熱海を舞台にした小説を書きたいと思っていた。読んでいただいた方が『熱海に行ってみたい』と思ってもらえるように心掛けて執筆した」という。実際に小説の中には、モデルとなった場所と思われるシーンが数多く登場する。
小春さんは「コロナ禍で熱海でも大変な思いをしている方がたくさんいると思う。小説を通して、少しでも熱海の魅力を発信し、世の中が落ち着いた時に熱海に足を運んでいただける方がいればうれしい。熱海に住んでいる方にも、熱海の映像を思い浮かべながら小説を楽しんでいただけたら」と呼び掛ける。