「とくぞう 熱海さかな横丁」(熱海市銀座町)が4月25日、熱海銀座商店街にプレオープンした。
1926(大正15)年に伊豆・稲取漁港で網元として創業したという徳造丸(東伊豆町)が運営する同店。伊豆エリアを中心に飲食店や土産物店を展開してきた同社が、広い店内に飲食店が連なったような「横丁スタイル」を採用した初めての店舗になる。開業の経緯について、鈴木基史社長は「にぎわいを演出し、熱海の活気を観光客に発信したり、客同士の触れ合いや笑顔を大切にしたりする店にしたい」と話す。
店舗面積は約70坪。席数は、テーブル席やベンチ席などを合わせて86席。立食用のカウンター席も用意する。店内は大漁旗やちょうちんで装飾。BGMには稲取伝統の祭り「どんつく祭」のおはやしを流し、漁師町らしさを演出している。家族連れにもゆっくり過ごしてもらおうと、キッズスペースの設置や子ども向けメニューの準備も進めているという。
メニューには、伊豆の特産品や郷土食を使った料理を用意する。看板メニューはクチナシで色を付けた「黄飯」を使う「金目鯛(キンメダイ)の黄飯寿司(すし)」(上=2,900円、特上=3,500円)。黄飯は稲取では「祝い飯」として食べられる郷土料理で、キンメダイは伊豆の特産品として知られ、静岡県の漁獲量は国内有数という。「魚屋のまかない丼・金目鯛のせ(特上)」(3,000円)、「金目鯛のまるごと一尾姿煮膳」(2,900円)、「金目鯛ひつまぶし重」(2,300円)など、海鮮丼や定食メニューもそろえる。
気軽に飲み食いしてほしいと、アワビやサザエ、干物などの「浜焼き」のほか、おつまみ、アルコールなどのメニューも用意。ビールは静岡麦酒や熱海ビールを、日本酒やサワーなどは静岡県産を、それぞれそろえるなどして、地元色を大切にしたという。「食べ歩きメニュー」として、串に刺した「あわび串」「大えび串」「いか丸ごと串」やえびせんにのせた「金目鯛の黄飯寿司」なども用意し、テイクアウトにも対応する。
鈴木社長は「観光客には、伊豆伝統の味を知ってもらいたい。地元の人に郷土料理のおいしさを再認識してもらえる場所にもなれば。伊豆の玄関口・熱海から元気を届けたい」と意気込む。
グランドオープンは5月11日。プレオープン中はメニューを一部に絞って営業する。
営業時間は11時~19時30分。