「ブルーカーボンプロジェクト推進協議会 2024年キックオフミーティング」が5月8日、熱海市内で行われた。
ブルーカーボンプロジェクトの計画を説明する光村智弘さん(関連画像3枚)
同協議会は、環境問題に取り組む「未来創造部」(熱海市渚町)が主体となって2021年に設立。地球温暖化対策としての海洋生態系による二酸化炭素の吸収・固定(ブルーカーボン)を促進し、海草・海藻の再生による海洋環境の改善活動を進めている。2023年には、斉藤栄熱海市長が会長に就任した。
定期客船「イルドバカンス三世号」船上で行われたキックオフミーティングでは、未来創造部の社長で同協議会副会長の枝広淳子さんが、環境省が進める本年度の「令和の里海づくり」モデル事業の実施団体に同協議会が選ばれたことを報告。協議会事務局の光村智弘さんが、プロジェクトの活動計画などを説明した。
キックオフミーティングには、漁業やスキューバダイビングなどを行う事業者など、熱海の海に関わるメンバーが参加して熱心に耳を傾けた。大熱海漁業協同組合の遠藤哲也組合長は「海藻のカジメが減少することでアワビが取れなくなっている」と漁業への影響を訴えた。
熱海市は2022年、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティー宣言を行っている。斉藤市長は「熱海の里山・里海は観光資源だけでなく、市民の生活に潤いを与える役割もある。プロジェクトの活動を通して熱海モデルを構築し、持続可能な未来につなげたい」と話す。
光村さんは「進めているコアマモの移植やカジメの再生プロジェクトのほか、釣り客への勉強会や環境教育の活動も計画している。観光客、住民、関係者と協力してプロジェクトに取り組みたい」と話す。