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熱海で新入社員の合同同期会 「みんな同期」のつながり形成し、離職を防ぐ

講師の片川乃里子さんによるビジネスマナー研修

講師の片川乃里子さんによるビジネスマナー研修

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 熱海商工会議所(熱海市渚町)が6月9日、市内事業所の新入社員を対象とした「熱海同期会2021」を開いた。

真剣な表情で講師の話を聞きいる同期ら

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 2017(平成29)年から毎年行われ、今年で5年目を迎える同会。熱海は中小企業が多く、新卒採用に取り組む事業所が少ないとされる。採用人数も1・2人程度と少ない。主催する熱海商工会議所の石井裕隆さんは「新入社員の中には、仕事の悩みを近い立場の人に相談できず、1人で抱え込んでしまうことがある。結果、離職につながってしまうケースもあり、市内の事業所の課題の一つ」と説明する。市内の事業所に就職した新入社員を「みんな同期」と捉え、仕事での悩みを相談し合える仲間を作ることで、職場への定着率を上げることを目的に、熱海商工会議所が市内の事業所に参加を呼び掛けた。

 今回は、市内の宿泊施設、金融機関、工務店などに勤務する12社21人が参加した。会では、静岡県東部県民生活センターの松本直子さんによる消費者教育と、フリーアナウンサーの片川乃里子さんによるビジネスマナーの研修が行われ、会の後には参加者同士が名刺を交換して交流を深めた。

 松本さんは、社会人になった参加者らに向けてネット契約や借り入れなどの消費者トラブルについて解説。「困ったことがあれば遠慮なく、早い段階で公的機関に相談してほしい」と呼び掛けた。静岡朝日テレビでアナウンサーを務め、現在フリーアナウンサーとして活動する片川さんは自身の経験を踏まえ、「プロ意識を持って働くことの大切さ」を伝えた。「ビジネスマナーは守らないと罰金があるようなルールではない。仕事を円滑に進める暗黙のルールであり、心を態度で表すもの。人間関係を良好にし、信頼を得ることができれば、個人のイメージアップや会社の業績アップにもつながる」と話し掛けた。

 石井さんは4年間を振り返り、「参加者は、1年目が17人、2年目・3年目が17人、4年目が19人だった。現時点での離職率は、1年目の社員が47%、2年目・3年目が23%、4年目が0%。一般的には、観光業の離職率が高く、高卒は3年で50%と言われている。熱海市内の事業者は、社員の定着への対応や意識が高まってきている」と手応えを示す。

 中小企業は社員研修に時間を確保できないこともあり、同会は社員教育の役割も担う。熱海商工会議所は、年度内に後2~3回の研修を計画している。

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