熱海と伊東で飲食店を運営する「Glover(グラバー)」(伊東市)がこのほど、ゴルフのラウンド依頼ウェブサービス「GOLX(ゴルクス)」を立ち上げた。
同社は、新型コロナウィルスの影響で飲食店の経営が苦戦する中で事業転換を模索。同社社長の木村祐太さんは、コロナ禍でも市場が安定しているゴルフ市場に着目し、ウェブサービスとSNSを活用した新規事業として同サービスを立ち上げた。
木村さんは「自分自身も趣味としてゴルフをしている。ゴルフを始めても、用品購入やラウンドにお金が掛かったり、一緒にゴルフに行く仲間がいなかったりという課題があり、結局ゴルフをやめてしまう人も少なくない。ゴルフ人口の流出を防ぎたい」と、同サービスを立ち上げた経緯を説明する。
ウェブサイトは、システム開発を行う「Sazanami」(沼津市)の黒田桂吾さんと共同開発する。昨年から構想を練り始め、今年4月に「GOLX」先行リリース版のサービスを開始した。「GOLX」は、ゴルフのラウンドをサイト内で売買できるサービス。ゴルフのラウンドを希望する人が、時間や場所を指定して同行者を募集。利用者はあらかじめポイントを購入し、ラウンドが成立するとポイントが消化される仕組み。
サービス開始から約4カ月たった8月5日時点で、2600人以上が登録し、月間で100回以上のラウンドが成立しているという。登録者には、インフルエンサーやモデルの名前も見える。ゴルフ歴や平均スコア、プレイエリアなどの情報のほか、近況を「つぶやき」として投稿する機能やレビュー機能も備える。黒田さんは「安心してサービスを使ってもらえるように、メッセージのやり取りは無料。身分証の登録確認も行なっている。女性目線で使いやすいサービスにこだわっている」と説明する。
今後について、黒田さんは「レッスンプロと組んでのレッスン機能の追加やサービスのアプリ化、ゴルフ場との提携によるインフルエンサーとラウンドできるコンペを企画している。ゴルフをより身近なものにできるようなサービスや仕掛けを展開していきたい」と言う。木村さんは「ゴルフ市場は伸びているが、まだIT化が進んでいない。IT事業で私たちが成功することで、地元の若者が自分たちにもできるかもしれないと夢を持ってほしい。私たち2人とも28歳。チャレンジの姿勢を見てもらい、熱海や伊東での若者の起業を増やしていくことにもつながれば」と意欲を見せる。