静岡県内の伊勢エビ漁が9月16日に解禁され、熱海・伊豆山沖で捕れた伊勢エビが17日、熱海魚市場(熱海市清水町)に運び込まれて競りに掛けられた。
初物の伊勢エビの競りでは、「釜鶴ひもの店」(銀座町)が最高値の1キロ7,000円で競り落とし、この日は合計16.7キロの伊勢エビを買い上げた。同店では、直営の和食店「海幸楽膳 釜つる」(同)で17日から刺し身で提供した。伊勢エビは自社工場で加工して、18日から「釜鶴ひもの店」の店頭で「伊勢エビの干物」(6,500円~)としても販売する。
同店の二見一輝瑠社長は「土石流の影響で、伊勢エビ漁ができるかどうか分からない状況ではあったが、まずは漁ができたという喜びはある」と話す。現在、伊豆山港は港に流れ込んだ土砂の影響で船が出せないことから、約3キロ離れた熱海港(和田浜南町)から出港し、伊豆山沖の漁場に網を仕掛けている。伊豆山港を拠点にする漁業者らは発災以降、思うような漁ができない状況が続いている。
二見さんは「事前に市場からも呼び掛けがあり、競りに参加したどの業者も伊豆山の漁業を応援しようという気持ちで参加した。少しでも高く買い付けることで、伊豆山の支援につなげていきたい」と話した。