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熱海・伊豆山土石流災害から4カ月、地域団体が主体になった復興支援へ

地蔵堂の修復作業を進める「熱海キコリーズ」と「atamista」のメンバー

地蔵堂の修復作業を進める「熱海キコリーズ」と「atamista」のメンバー

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 7月3日に発生した伊豆山土石流災害から11月3日で4カ月がたった。外部団体が中心となって行ってきた復興に向けた活動から、現在は外部のサポートを受けながら熱海の地域団体が主体になり復興支援を行う形に変わってきている。

任意団体「テンカラセン」を設立し活動を進める高橋一美さん

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 熱海の森林保全に取り組むNPO法人「熱海キコリーズ」(熱海市昭和町)とまちづくり活動を行うNPO法人「atamista」(銀座町)は、土石流の被害を受けた逢初地蔵堂の修復プロジェクトを進めている。

 伊豆山の浜地区にある地蔵堂には「逢初地蔵尊」が納められ、地域住民のよりどころとされてきた象徴的な存在だった。土石流により地蔵堂は大きく損傷。地蔵尊は泥に覆われた中から発見されたが、損害を受けた建物は存続が危ぶまれた。

 地域住民らの復旧への思いに立ち上がったのが、両NPOだった。熱海キコリーズはすでに、切り出した間伐材の丸太を、捜索活動に従事する陸上自衛隊に重機の足場用に提供していた。今回の地蔵堂の修復作業でも床材などに間伐材を使う予定としている。熱海キコリーズのメンバーは「複業キコリ」として活動しており、建築など技術を持つメンバーが中心となって地蔵堂の修復を進めている。

 熱海キコリーズの能勢友歌代表は「住民の女性から涙ながらに感謝して話し掛けてもらった。地域の憩いの場である地蔵堂を復旧し、住民の交流が再開して少しでも以前のような日常を取り戻すサポートができれば」と話す。復旧活動に当たっては、全国の被災地で支援活動を行う公益社団法人「Civic Force」と赤い羽根共同募金のサポートも受けながら活動を続ける。

 同じ浜地区を拠点に先月、地域住民らが中心となって任意団体「テンカラセン」(伊豆山)を立ち上げた。代表を務める高橋一美さんは、同地区で弁当店「喜与味」を営み、店舗兼自宅は土石流災害で被災した。発災直後から地域の高齢者宅への支援物資の配給や防犯活動、被災地の情報発信などを行ってきた。高橋さんは「伊豆山は高齢者の多い地域。これからの復興には若い人の力が必要。いつまでも外部の団体に頼っていてはいけない。自分たちでやれることをやって、地域のコミュニティーをつくりながら復興に向けて歩んでいく必要がある」と、団体を設立した。

 今後は、地域住民が使う共同浴場「伊豆山浜浴場」が入る浜会館の一角を整備し、住民や観光客が気軽に集うコミュニティーカフェを作る計画もある。このほか、高齢者ら地域住民の見守り活動、高齢者と子どもの交流プログラム、復興支援イベントの開催などを予定する。伊豆山地区の事業者らと協力して、伊豆山の歴史、文化、自然、特産品などの情報を発信していく取り組みも行っていきたいとしている。高橋さんは「人と人がつながり、住民の誰もが住みやすいまちづくりを進めていきたい」と意気込みを見せる。

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