MOA美術館(熱海市桃山町)で11月25日、「Kogei Dining(工芸ダイニング)」が開かれた。
日本の伝統工芸の美しさを工芸作家との交流や食事を通して体験する同プログラム。主催は文化庁、日本芸術文化振興会、MOA美術館。「日本人と自然」をテーマに芸術や文化を国内外に発信する「日本博」の関連プログラムとして開かれ、工芸作家の卓話、食事会、人間国宝・坂東玉三郎さんの舞踊公演を行った。
卓話は、染織家で重要無形文化財「紋紗(もんしゃ)」保持者・土屋順紀さんと同館の内田篤呉館長が登壇。土屋さんは、紋紗の作品や坂東玉三郎さんの着物の美しさに触れ、「人から人へ直接、技や思いを伝えて行くことが大切」と語った。内田さんは「工芸作家の作品で料理を楽しむ体験を通して、作品の良さを理解してほしい」と話した。
食事会では、有機農法・地産地消をテーマにした食材を使った料理を、人間国宝で漆芸家・室瀬和美さんや陶芸家・小枝真人さんらの作品に盛り付けて提供した。館内の「THE SHOP」で作品の展示販売も行い、参加者らは伝統工芸と食の技を味わった。
坂東玉三郎さんの舞踊公演では長唄「老松」「賤の小田巻」が披露され、華麗な衣装で舞う玉三郎さんの姿に観客からは大きな拍手が起きた。