「熱海駅記念撮影スポット」が1月22日、JR熱海駅改札前などに設置された。
同スポットは、熱海駅社員と熱海市出身のアーティスト富岡美紀さんによるアートプロジェクトの一環。プロジェクトに先立ち予定されていた除幕式は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮して中止となったが、富岡さんの作品2点、駅員が制作したつり革アート、黒板アートが改札前に、ちぎり絵アートが駅構内に、それぞれ展示された。
「#あたみがこんなにかわいいわけがない」をコンセプトに、女性社員中心に企画したという同プロジェクト。熱海駅社員の今野智美さんは「熱海駅のかわいさを知ってもらい、魅力あふれるかわいい熱海を楽しんでほしいという願いが込められている」と説明する。「今までは熱海といえば、温泉地というイメージがあり、SNS映えするスポットの存在がまだまだ認知されていなかった」とした上で、「熱海の魅力を駅から発信するとともに、お客さまからも熱海の魅力を発信してほしいと考えた」と話す。
熱海の魅力やかわいさを融合した作品を作ってもらおうと、アート作品は熱海出身の富岡さんに依頼。2つの作品には、鶴と亀、梅の花が描かれており、熱海市の繁栄と伊豆山土石流災害からの復興の願いを込めている。富岡さんは「今回のアートプロジェクトを打ち合わせしている最中に災害が発生した。アフターコロナ、復興のことを考えながら駅員の皆さんと一緒に作り上げることができた。たくさんの人に楽しんでもらい、元気になってもらえれば」と思いを込める。
鉄道会社のプロジェクトとして、かわいさと面白さに鉄道を絡めたものを作ろうとつり革アートを企画。「熱海の春は 梅と桜の 二刀流」、「打ち上げ花火の 音に合わせて 君が好き」など、約25作の俳句を、絵馬をモチーフにつり革と併せて展示している。熱海温泉ホテル旅館協同組合の公式キャラクター「あつお」の俳句も飾るなど、通行客の目を引いている。
ちぎり絵アートは、夏の風物詩「熱海海上花火大会」を描いた。駅に掲示した廃棄ポスターをちぎり絵にして、熱海の魅力を発信しようと社員が制作。黒板アートは、撮影した写真を黒板と合わせて映し出す「フォトインフォト」のスポットとして展示した。今野さんは「観光客が熱海で撮影した写真を設置した黒板と共に映し出すことで、熱海駅と観光客の思い出がコラボしてほしい」と話す。対象店舗で黒板アートのフォトインフォトの画面を提示すると特典が受けられるキャンペーンも行っている。
同スポットは3月31日まで。