ゴールデンウィーク本番を迎えた5月3日、熱海市内は多くの観光客で溢れかえった。
JR熱海駅前にある無料の足湯「家康の湯」では、流れ出る温泉に足を入れてゆっくりする観光客らの姿が見られた。足湯の隣にあるタクシー乗り場は、タクシーを待つ長い行列ができた。
タクシー乗り場の横で電動自転車を貸し出すレンタサイクル店「ATAMI-Tricycle(熱海トライサイクル)」にも、来店客が絶えない。同店の鹿島隆介さんは「今日だけですでに30人以上を断った。3日と4日はすでに予約でいっぱいで、空車待ちのお客さまもいる」と話す。利用者数は、昨年とは比較にならない状態だという。
天候にも恵まれた3日は、涼を求めて熱海サンビーチを訪れ、海に足をつけて遊ぶ観光客の姿も多く見られた。ビーチに隣接する親水公園では、3年ぶりとなる「春のあたみビール祭り」が2日に開幕した。市内の飲食店や団体が、七輪(しちりん)で焼く浜焼きやビール、揚げたての唐揚げなどを提供。汗ばむ陽気の中、冷たいビールや海の幸に舌鼓を打った。熱海芸妓(げいぎ)公式キャラクターの「まめっこ」と熱海温泉ホテル旅館協同組合の公式キャラクター「あつお」もステージに登場。来場者との記念撮影に応じるなどして、会場を盛り上げた。イベントは5日まで。
多くの観光客が立ち寄る商店街の飲食店からは、順番待ちで歩道に人が溢れた。熱海駅前の平和通り商店街で土産物店を営む男性は「2019年の10連休だったGWほどではないが、この数年の連休では一番と言っていいほど混んでいる。2日は花火大会もあったので、周辺は夜まで人が多かった。観光地としてにぎわいが戻ることはありがたい」と話した。