熱海特産ダイダイの果汁入りの餌で養殖した「熱海だいだいサクラマス」を使ったメニューを提供する飲食店が現在、熱海市内に増え始めている。
「熱海銀座おさかな食堂」で提供する「サーモンといくら丼」(関連画像4枚)
「熱海だいだいサクラマス」は、熱海の特産品を生かそうと、昨年から熱海魚市場(熱海市清水町)が網代漁業(網代)や市内のダイダイ農家の協力で企画。網代漁港で養殖するサクラマスにダイダイの果汁を混ぜた餌を与えて育ててきた。4月8日に初めて出荷され、熱海魚市場を介して市内の鮮魚店や飲食店、宿泊施設などに卸している。
熱海魚市場の宇田勝社長によると、すでに市内の10店以上の飲食店で「だいだいサクラマス」を使った料理を提供しているという。
市内で海鮮丼や海鮮料理を提供する「熱海銀座おさかな食堂」(銀座町)とその系列店では、「だいだいサクラマス」を使ったメニューを積極的に扱う。サクラマスをふんだんに使った「サーモンといくら丼」など海鮮丼のネタとして使うほか、「熱海銀座おさかな食堂はなれ」では、「海鮮釜飯サーモンといくらめし」として釜飯の具材としても提供する。
老舗の洋食店「クレール」(渚町)は、「だいだいサクラマス」の出荷が始まった直後からメニューとして扱っている。ディナータイムは「熱海だいだい桜マスとナスの衣つきムニエル」として、ランチタイムはセットメニューの一つとして、それぞれ「だいだいサクラマス」を使った料理を提供する。
同店の店主・渡辺容子さんは「当店ではムニエルには通常、白身魚を使うが、だいだいサクラマスで作って試食したらおいしかった。お客さまも10人中10人がおいしいと言うくらい好評」と話す。シェフの渡辺仁さんは「サクラマスによくある臭みが、だいだいサクラマスには無い。今後、だいだいサクラマスを使ったメニューを増やしていけたら」と意欲を見せる。