熱海の網代漁業(熱海市網代)が4月8日、熱海産ダイダイの果汁を混ぜた餌で養殖したサクラマスを初出荷した。
熱海の特産品ダイダイの果汁を混ぜた餌を与え網代沖で養殖する「熱海だいだいサクラマス」には、同社と熱海魚市場(清水町)の宇田勝社長が約1年前から構想して取り組んできた。熱海商工会議所やダイダイ農家、地元の飲食店も協力し、商品化を目指した。
初めて出荷した「熱海だいだいサクラマス」は、10日に魚市場で開かれた「さかな祭り」で地元の飲食店が加工して「あぶりマスずし」として販売。マスずしの調理は、市内で「食楽キッチン」や「和食処結」を営む諸岡秀和さんが手がけ、売り出しから1時間ほどで完売し、好評を得たという。
サクラマスも、「さかな祭り」の会場で1キロ2,000円で販売して来場者の目を引いた。一般的にかんきつを混ぜた餌には、魚の臭みや血合いの変色を抑える効果があるとされる。網代漁業の山村豊さんは「熱海特産のダイダイを使った餌というストーリー性がある。今後は魚の様子を見ながら餌を工夫して育てていきたい」と話す。
今後は熱海魚市場で「だいだいサクラマス」を扱い、メニューとして市内の飲食店や宿泊施設での提供を予定する。