ラグジュアリーリゾートホテル「熱海パールスターホテル」（熱海市東海岸町）が9月26日、国道135号沿いの熱海サンビーチ前に開業した。

客室から熱海海上花火大会を目の前で鑑賞できる（関連画像9枚）

　尾崎紅葉の小説「金色夜叉（こんじきやしゃ）」の主人公「貫一お宮の像」の前に開業した同ホテル。熱海を代表する宿泊施設「つるやホテル」があった場所で、跡地に商業ビルの建設が進められたが、骨組みだけが作られた状態で長年放置されていた。

　熱海温泉の一等地とされる場所の再興に名乗りを上げたのが熱海パールスターホテルで、当初は東京オリンピック開催を見越して2019年夏の開業を予定していたが、建設資材の調達遅れや新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期していた。

　延べ床面積は2万6000平方メートル、地上10階建て、客室は87室で、全室に温泉を備える。熱海市内の宿泊施設では初めてだというバトラー（執事）サービスも全室に導入する。合わせて7つのレストランとバー、フィットネススタジオ、エステサロン、約180台収容の駐車場を備える。最上階の大浴場は、相模灘を望む「インフィニティーバス」やサウナ設備のほか、浴場内の床は防水仕様の畳敷きとする。

　レストランでは、熱海や伊豆の食材を使ったフランス料理、中国料理、日本料理などを提供。地域の風土・文化を料理に表現する「ローカルガストロノミー」をテーマに掲げる。宿泊者以外もレストランを利用することができる。宿泊者を対象に夕食は館外の飲食店を利用してもらう「泊食分離」も進め、地域経済の活性化も狙う。

　同館経営戦略室支配人の大川真実さんは「首都圏から1時間ほどの熱海は、豊かな温泉とおいしい海の幸と山の幸がそろうところ。全室温泉付きの客室と本格的なフィットネスジム、レストラン、相模灘を望むテラスを備える滞在型ホテルなので、何もしないぜいたくな休日を過ごしてもらえれば」と話す。

　宿泊料は1部屋2人利用＝7万円（1泊朝食付き）から。