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熱海の網元が海底熟成ワイン「海の記憶」 直営店で提供、増産に意欲も

海底熟成ワイン「海の記憶」の販売を始めた「味くらべ」の中村圭志さん

海底熟成ワイン「海の記憶」の販売を始めた「味くらべ」の中村圭志さん

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 磯料理店「味くらべ」(熱海市下多賀)を運営する熱海の網元「中央興発」(同)が3月10日、海底熟成ワイン「海の記憶」の販売を始めた。

付着物が付いて見た目も世界で一本のボトルワインに(関連画像4枚)

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 2代目の中村圭志さんが漁業権を生かして熱海の新たな名産品を作ろうと、1年半ほど前から販売を企画した同商品。酒販免許を取得するなど準備を進め、販売にこぎ着けた。

 同商品は、熱海の海底20メートルほどに設置したゲージにワインボトルを沈め7カ月ほど保存して熟成させる。ゲージには太陽の光が届きづらく、水温も15℃ほどで安定しているという。中村さんは「15℃はワインにとって適温。光が当たらない環境と波の程よい揺れによって、味に丸みができ深みが出る」と話す。「瓶に貝などが付着することで、それぞれに見た目が異なり世界で唯一の一本に仕上がる」とも。

 引き上げたワインは、同店やホームページで販売するほか、東京・銀座のバーでも提供を始めた。現在、海底には、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワイン合わせて約200本のボトルワインを沈めており、順次、さらに本数を増やしていくという。

 「好評で、販売できる分は既に残りわずか。熱海市内でのレストランでも提供してもらえるように増産していきたい」と中村さん。「焼酎やウイスキーの海底熟成も計画している。ブームで終わらせず名産品として長く地域に根付かせていくことで、地域の盛り上がりに貢献できれば」と意欲を見せる。

 価格は1本=4,950円~。「味くらべ」の営業時間は11時~19時30分。木曜定休。

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