MOA美術館(熱海市桃山町)で1月22日、名品展「国宝・紅白梅図屏風」が始まった。「紅白梅図屏風」の展示は毎年、梅の時期に開催される。今回は初めて、熱海梅園とシャトルバスで結び、両所で「季節を感じる」催しとなっている。
国宝「紅白梅図屏風」は琳派を代表する絵師・尾形光琳の作品。MOA美術館が所有する貴重なコレクションの一つ。同作は、中央に流れる川を挟む形で左右に紅白の梅を描いた大胆な構図で、金地の背景と併せて琳派の象徴的な作品とされる。同館学芸員によると、「よく観察すると満開の梅の花をあえて描かず、つぼみの花が多く描かれている。小学校への出張授業に行くと、子どもが気付くことがある。じっくりと自由な発想で見てもらえれば」と話す。
同展では他に、それぞれ国宝の野々村仁清作「色絵藤花文茶壺」、三大手鑑の一つとして著名な手鑑「翰墨城」も公開。「紅白梅図屏風は保存の観点から、連続して30日間しか展示しない貴重な作品。実際の梅と見比べて季節を感じてもらえれば。同作品に加え、さまざまな時代、ジャンルの名品を展示する。国宝3品、重要文化財などゆっくり鑑賞を楽しんでほしい」と展示会の見どころを説明する。人間国宝で重要無形文化財「白磁」の保持者に認定される前田昭博さんの特別陳列も同時開催する。
開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館。観覧料は一般1,600円ほか。3月9日まで。熱海梅園との無料シャトルバスの運行は土曜・日曜・祝日のみ。