喫茶店「Coffee 木の実」(熱海市清水町)が9月2日、清水町の商店街にオープンした。
れんがと木の壁、レトロな照明が特徴的な「木の実」店内(関連画像4枚)
2019年に東京から熱海に移住した宇田真奈美さん・晃仁さん夫婦が営む同店。真奈美さんが店主を務める。「木の実」は、50年ほど前に前店主が開業。高齢で閉店を予定していることを、喫茶店の物件を探していた宇田さん夫婦が知る。「客として何度か入ったことがある喫茶店で、落ち着いて過ごせてすてきな店というイメージがあった」と晃仁さん。真奈美さんは「実際に客として来てみると店内のレトロな雰囲気も良く、繁華街からは外れているので自分たちのペースで始められそうだった」と振り返る。
店内は、れんがや温かみのある木の壁、ステンドグラスの照明が特徴的で、テーブルや椅子と合わせてそのまま引き継いだ。食器や銅製のシュガーポットなども譲り受け、一部は手入れをして利用する。真奈美さんは「昔は食事やデザートも提供していて、近所の芸妓(げいぎ)さんもよく通っていた店だったと聞いた。地域に根付いた歴史のある店なので、できる限りそのままを残したかった。屋号の『木の実』を継承することも快く了承してもらえた」と話す。
店舗面積は約13坪。席数はカウンター席とテーブル席を合わせて23席。メニューは、店で豆をひいて提供するコーヒーやカフェオレ、静岡県産の和紅茶、抹茶オレ(以上500円)のほか、クリームソーダやコーヒーフロート(以上700円)、アイスクリーム(500円)などを用意する。
宇田さん夫婦は平日は都内に勤務しながら、週末のみ店を開けて客を出迎える。「慣れない飲食店の開店準備だったが、地域の人が手伝ってくれたり、背中を押したりしてくれてオープンすることができた。熱海の人たちの温かさを感じた。住民が読書やおしゃべりをしてゆっくり過ごしてもらえる場所になれればうれしい」と真奈美さん。晃仁さんは「地域のコミュニティーとして居心地の良い店を目指したい」と話す。
営業時間は、土曜=12時~17時、日曜=11時~15時。