イベント「竹あかりの縁~共に照らそう、網代のまち」が11月11日、網代港などで開かれた。主催は、NPO法人「熱海キコリーズ」と一般社団法人「あじろ家守(やもり)舎」。
街の人の交流を促して昔のにぎわいを再現しようと、森林保全活動に取り組む「熱海キコリーズ」と南熱海エリアのまちづくりを進める「あじろ家守舎」が企画した。日本大学の学生5人が8月から企画に加わり、装飾物作成や準備、当日の運営を進めてきた。
メイン会場の網代港をはじめ、国道135号沿いの商店街、弁天神社には、約200個の竹灯籠を並べた。竹灯籠は、熱海キコリーズが放置竹林の整備をして出た竹を活用。熱海キコリーズのメンバーで竹細工職人の石井友子さんに指導を受けながら学生らが準備した。日が落ちて周囲が暗闇に包まれると、竹灯籠や参加者が手にした竹ランタンの明かりがオレンジ色に街を照らし、幻想的な光景を映し出した。
石井さんが製作した竹アーチの作品を展示した網代港では、豆州網代太鼓によるパフォーマンスが披露されて会場を盛り上げた。竹で遊ぶキッズコーナー、商店街の干物店を巡るスタンプラリーなども展開し、参加者は住民との交流を楽しんでいた。
熱海キコリーズ代表の能勢友歌さんは「熱海キコリーズとして網代で活動するのは今年が初めてだったが、地域の皆さんに温かく受け入れてもらえてよかった。持続可能な活動になるようにしたい」と話す。
石井さんは「厄介者といわれる竹が、知恵と思いを結集させることで地域の楽しみに変わった。多くの人の創造性と自主性に助けられて心温まる空間になった」と話す。
熱海出身で日本大学学生の鈴木美乃さんは「地元の思いをイベントで体現できた。住民や観光客の楽しそうな姿を見て、今回の活動には大きな意味があったと感じた。大学生と網代が関わるイベントをこれからも継続できたら」と力を込める。