熱海芸妓(げいぎ)置屋組合が2月8日、熱海芸妓公式キャラクターの愛称が「熱海 まめっこ」が決まったと発表した。今後、グッズ販売や着ぐるみのイベント出演など、熱海の芸妓文化を発信していく大きな役割を担う。
キャラクターの愛称募集は12月1日~1月8日に行い、全国から500件の応募があった。同組合の幹部やキャラクターをデザインした会社「峰」のメンバーらから成る選考委員会で検討を重ねた結果、「熱海 まめっこ」が選ばれた。同組合の広報担当で、自身も芸妓の豆一(まめかず)さんは「本来は1月15日に発表予定だったが、首都圏の緊急事態宣言を受けて選考の打ち合わせもままならず、発表を延期していた。他にも候補はあったが、他社などが利用しているケースも多く、選考は大変だった。全国から思いが込められたネーミングや激励の手紙もあり、大変ありがたかった」と話す。
「熱海 まめっこ」の名前の由来は「お茶目で豆粒のようにちっちゃくてかわいく、まめまめしく動きながら周りの人を楽しませてくれる」。名付け親となったのは長崎県の石島拓哉さん(67)で、ネーミングの採用に際して「熱海はいつか忘れるくらい昔に来た。選ばれて素直にびっくりしてうれしい」とコメントする。
西川千鶴子組合長は「最近は暗いニュースが多いが、明るいニュースにしたいと思い、キャラクターの名前を募集し発表した。今後、『あつお』とコラボできたら。3月からまめっこのグッズも販売する予定。熱海が明るくなれば」と期待を込める。今後は、宿泊施設や土産物店でグッズの販売を計画しているという。着ぐるみも製作し、実際に芸妓衆に舞踊指導する花柳あらたさんに特別な振りの指導を受けた「ゆるキャラ」が、イベントで踊ることも想定している。
豆一さんは「熱海に旅行に来る若い女性へのアピールになれば。芸妓文化があることを知らない人も多い。グッズを手に取った時に芸妓を知ってもらい、コロナが収まったら見に来てもらえれば」と呼び掛ける。「市内の学童を訪れた時には、子どもたちが喜んで名前を書いてくれた。熱海の子どもたちにもキャラクターに親しんでもらえれば」とも。現在LINEスタンプも制作中で、「熱海 まめっこ」のさまざまな表情を楽しむことができるようにするという。
熱海芸妓見番歌舞練場(熱海市中央町)で毎週末に披露されてきた「湯めまちをどり華の舞」は現在、新型コロナウイルス感染拡大により休演中だが、感染症対策を取ったうえで2月13日に再開予定。