熱海の糸川沿いでは早咲きの「あたみ桜」が見頃を迎え、通行人に少し早い春の訪れを告げている。
例年よりも早く、12月9日には「あたみ桜」の基準木の開花が発表されていた。「あたみ桜」は同じ枝に早期に開花する花芽と後期に咲く花芽があるため、見頃の期間が長い特徴がある。熱海市公園緑地課によると、糸川沿いや渚小公園などの桜はほぼ満開だという。今シーズンは開花時期が早かったものの、その後、気温が低い日が続いたことで開花速度がゆっくり進み、見頃が長く続く。そのため、夜間のライトアップを2月14日まで延長する。
市外から友人2人と糸川遊歩道を訪れた女性は「最近は自粛生活を送っているが、今日は桜とメジロを撮影しに来た。趣味の撮影で毎年訪れているが、今年は花付きも良く、いい写真が取れた」と声を弾ませる。
遊歩道沿いで営業する移動販売「cafe lacicu(カフェ ラシク)」の佐竹純一さんは「出店は7日までの予定だったが、見頃の期間が延びたので出店も14日まで延長することにした。自主休業している店もあるが、休業ばかりだと桜が満開の時期に街が寂しくなってしまう。店に入ることに抵抗がある人も、屋外で少しでも楽しんでもらえたら」と期待を寄せる。