展覧会「Gold 明治の蒔絵 with 井上涼」が9月13日、MOA美術館(熱海市桃山町)で始まった。
明治以降に活躍した漆芸家の蒔絵(まきえ)作品26点を展示する同展覧会。小川松民、川之辺一朝、白山松哉の作品などを展示するほか、作品内部を映像でも紹介する。
蒔絵は、漆で模様を描き金粉や銀粉をまき付けて装飾する漆工芸の技法。特に明治期には、政府が進める殖産興業の一環である内国勧業博覧会の開催を契機に、優れた蒔絵の作品が多く発表されたという。
今回の展覧会では、新収蔵品の小川松民作「曾席椀盛 うちまき絵」6点を同館では初めて展示する。国宝「梅蒔絵手箱」など名品の蒔絵をわんの内側に描いた作品だという。白山松哉作「蒔絵八角菓子器」は五段重ねの菓子器で、各段で技法を変えて幾何学文様を表現した精細な作品。同美術館の広報担当者は「細かい技法が明治期の蒔絵の特徴。さまざまな技法にも注目して楽しんでほしい」と話す。
館内では、NHK Eテレ「びじゅチューン!」に出演するアーティスト・井上涼さんが手がける蒔絵をテーマにしたアニメーション「忍者とゴールド・マキエ」も上映する。
開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館。観覧料は一般1,760円ほか。10月28日まで。