熱海駅前の仲見世通り商店街でこのほど、熱海特産の「熱海レモン」を使ったメニューが登場している。
「茶房藍花」(熱海市田原本町)では、3月25日から「熱海レモンのホワイトコーラ」(690円)の提供を始めた。熱海レモンにジンジャー、シナモン、コリアンダー、カルダモンの4種のスパイスを使用。カレー作りが趣味という冨村尚史社長が考案し、カレーに使うスパイスなどを使いながら試行錯誤して販売にこぎ着けた。冨村さんは「以前、他の店で自家製コーラを飲んだことがあり、記憶に残るくらいおいしいイメージがあった。レモンで商店街を盛り上げようという話になった時にそれを思い出して、チャレンジしてみた」と話す。レモンは熱海の多賀で栽培している人から購入。使い道が無く、余ったレモンは廃棄されているという話を聞き、「店で活用したい」と買い付けたという。売れ行きは好調で、夏くらいまでの限定メニューとして提供する予定。
熱海レモンの活用は、同商店街の「パン樹 久遠」(田原本町)が、熱海高校の呼び掛けで「熱海檸檬のスコーン」(220円)を高校生と共同開発し、昨年10月から販売を始めたことがきっかけ。同店の武山陽司社長が、商店街としても「熱海レモン」を使った取り組みができればと、商店街の他店に声を掛けたことで、広がりを見せている。武山さんは「熱海のレモンは収穫が多く無く、材料に限りがあるので限定品として販売している。菓子組合のメンバーや商店街の他の店にも声を掛けて、徐々に熱海全体に広がっていけば」と期待を込める。
同じく商店街の和食店「だるま」(田原本町)でも、熱海レモンを使った「究極のレモンサワー」(770円)の提供を始めた。「店で仕込んでいるので作るのが大変だが、お客さまからはおいしいと評判なので、頑張って作っていきたい。商店街で熱海レモンのメニューを提供する店が増えていけば」と話す。
現在、商店街の他の店でもメニューを開発中だという。「檸檬伝来地」「地場産檸檬」などと書かれたオリジナルののぼり旗で、通行人らにアピールしていく。