静岡県のFMラジオ局「K-mix」の新番組で4月2日から、熱海で土産物プロデュースを行う横須賀馨介(けいすけ)さんがラジオパーソナリティーに初挑戦している。
新番組は毎週金曜19時30分~20時に放送する「OMIYAGE-RADIO(お土産ラジオ)」。静岡県だけでなく、全国・世界各国の土産物を紹介しながら、静岡の理想の土産物を追求する。2日からの3回の放送では、鎌倉や江ノ島のこけしと貝細工の土産物を紹介した。「箱と包装紙」「お土産十ヶ条」などのテーマに沿ったうんちくも披露。23日からは松坂屋静岡店の担当者をゲストに迎え、「デパート土産」のテーマで静岡の土産物の特集を組んでいる。収録はスタジオではなく、毎回現地に赴き、取材形式で行うという。
横須賀さんは埼玉県出身で、2017(平成29)年に東京から熱海に移住した。都内で広告関連の仕事をしていたが、温泉と海が好きで熱海に移住することを決意。横須賀さんは「全国の伝統工芸品や土産物を見てきた中で、観光地と切り離せない土産物店を熱海でやろうと思い、市内で土産物店の経営を始めた」という。店を経営しながら、全国各地で土産物のプロデュースも行い、2020年7月に観光プロモーション会社「ハツヒ」を設立した。
同社は、市内の老舗店とオリジナルの土産物を開発し、「LEGECLA(レジェクラ)」のブランドで販売する。ホテルニューアカオや喫茶店SUNBIRD、ゆしま遊技場、熱海観光ストアーなどのTシャツやエコバック、タオルなどを製作。それぞれの施設や店で、オリジナルの土産物として販売しており、昭和レトロ感とおしゃれさで人気を集めている。3月には、「伊豆箱根鉄道シリーズ」として、伊豆箱根鉄道オリジナルのパスケース、パーカー、Tシャツや、十国峠のロゴをプリントしたトートバックの販売も始めた。
今回、パーソナリティーに初挑戦したのは、K-mixの他番組に出演したことがきっかけ。同局のプロデューサーから、4月の番組改編に合わせて番組を持たないかという提案があったという。声を掛けた同局プロデューサーの寺田和史さんは「番組のゲストで話をしてもらった時に、話す内容が面白かった。土産物の話が非常に印象的だった」と振り返る。横須賀さんはこれまでパーソナリティーの経験が無かったものの、「リスナーが番組を通して土産物を知るきっかけになり、観光地や土産物店、クライアントにも貢献できると思った。自分自身にとっても、これまで以上に土産物を追求できるとも考えた」と、出演を引き受けたという。
番組が始まって約1カ月がたち、横須賀さんは「番組の企画はうまく組んでこれたが、話して伝えることはまだ慣れず、落語を聴くなどして話の組み立てや落ちの付け方などを勉強している」という。寺田さんは「企画力や行動力は素晴らしいものを持っている。話すスキルや表現力はこれから磨いていって、さらに向上してもらえれば」と期待を寄せる。横須賀さんは「土産は絶対どの地域にも存在する。観光の土産物だけでなく、お歳暮や引越し祝い、土産話も土産の一つ。土産はその人の思いを届ける文化。土産物文化を、ラジオを通して伝えることで、聴いている人が温かい気持ちになってもらえれば。こんな土産物があるんだということをラジオで知る新しい出合い方によって、買った人も売れた地域や店もハッピーになってくれれば」と期待を込める。