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MOA美術館で「竹内栖鳳」展覧会 躍動的な動物画など32点展示

竹内栖鳳の作品「若き家鴨」

竹内栖鳳の作品「若き家鴨」

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 MOA美術館(熱海市桃山町)で6月11日、展覧会「没後80年 竹内栖鳳-躍動する声明-」が始まった。金びょうぶに描かれた躍動感ある動物画が訪れる人の目を引いている。

竹内栖鳳「熊」

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 同館では2018(平成30)年以来、3年ぶりとなる竹内栖鳳の展覧会。今回の展示では、同館が所蔵する作品のほか、京都国立近代美術館、京都市美術館、町立湯河原美術館が所蔵する作品を集め、計32点を展示する。

 竹内栖鳳(1864~1942)は、明治から昭和にかけて京都画壇の中心とされる日本画家。13歳で四条派の画家・土田英林に絵を習い始め、若いうちから京都では実力派として注目されていた。四条派の伝統を引き継ぎながら、狩野派や文人画、西洋の表現を取り入れ、栖鳳独自の表現を生み出していった。パリ万国博覧会視察のために訪れたヨーロッパや、2度の中国旅行にも影響を受け、作品に取り入れている。晩年は神奈川県湯河原町の温泉旅館「天野屋」にアトリエを設け、病気の療養をしながら描いた海の幸の作品も残されている。栖鳳は78歳の時、同旅館で亡くなった。

 栖鳳は動物画を得意とし、躍動的な表現と動物の毛並みまで入念に描く画風が特徴とされる。動物の習性や特徴をつかむために、ウサギや猫などを飼育したり、動物園に通ったりして写生を繰り返したという。同館担当者は「細かな描き込みと筆を簡略化する技法を合わせることで、独特の躍動感で描いている。大きな屏風に描いた動物の作品では、右側と左側で動と静を分けて表現していることにも注目してほしい」と説明する。

 今回は、「夏鹿」「熊」「若き家鴨」「喜雀」などの動物を描いた代表作に加え、栖鳳が16歳で描いた虫と鳥の「写生帖」、京焼の陶芸家の器に栖鳳が描いた「百合花絵菓子鉢」などの貴重な作品も展示する。作品には解説と共に、時々に残した「栖鳳のことば」も添え、栖鳳の作品に対する思いに触れることもできる。

 開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館。観覧料は一般1,600円ほか。7月27日まで。

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