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熱海で観光モニターツアー 美術館貸し切りなど新たな旅行コンテンツ開発

貸し切りのMOA美術館で夜景や花火を観覧する参加者ら

貸し切りのMOA美術館で夜景や花火を観覧する参加者ら

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 熱海市はMOA美術館(熱海市桃山町)と熱海魚市場(清水町)で3月30日、31日の2日間、観光モニターツアーを行った。熱海温泉ホテル旅館協同組合(田原本町)、JTB静岡支店(静岡市)とも協力し、熱海の魅力を再発見するコンテンツを今後、開発していく。

熱海の「漁師めし」の説明を受けながら朝食を楽しむ参加者ら

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 同ツアーは、観光庁の「誘客多角化等のための魅力的な滞在コンテンツ造成実証事業」の一環として実施。コロナ禍で低下する客室稼働率を高めるための泊食分離を進める中で、市内の観光資源を活用しながら新たなツアーコンテンツの開発を目的に行った。閉館後のMOA美術館を活用した夜のコンテンツと、熱海魚市場を活用した朝のコンテンツを提供し、モニター参加者らの意見を集めた。

 ツアーには、インフルエンサーや旅行関係者ら約20人が参加。30日は閉館後のMOA美術館を貸し切り、美術品の鑑賞や同館の学芸員によるミニセミナーに耳を傾けた。館内のレストランで地元の食材を使った会席料理を味わった後、オーシャンビューのカフェから市内の夜景と熱海湾から打ち上がる海上花火を観覧。美術館の高台から眼下に上がる花火を鑑賞した。31日は熱海魚市場で、獲れたての地魚料理や地元の「漁師めし」を味わった。この日のために料理メニューを開発した宇田水産の宇田勝社長は「朝獲れの魚介だけでなく、魚屋でも知らない昔から地元で食べられている漁師めしを再現したメニューを提供した。ホテルや旅館の朝食とは一味違ったものを食べてもらえればと思って考えた」と話す。アジとイカのゲソを使った「たたきなま酢」や、熱海・多賀で3月末までしか出荷しない生ワカメを使った「わかめのサラダ」、イカの目と口の部分でだしを取った「めぼう汁」など、地元の郷土料理が並んだ。アジの干物を提供した、釜鶴の二見一輝瑠社長からの「おいしい干物の焼き方」の話に、熱心にメモをとる参加者の姿も見られた。

 都内からツアーに参加した木藤友紀さんと星野百合子さんは「熱海は初めてで、来る前は年齢層が高いリゾート地のイメージだった。ツアーに参加し、夜の美術館や魚市場での朝食など、個人的に旅行で来たら行こうと思わない場所に行くことができて良かった。他の旅行客と同じコースではなく、全く違ったツアーならではの体験ができた」と笑顔で話す。奈良県から参加した、インフルエンサーのほりいみほさんは「初めての熱海だったが、ツアーを堪能できた。海の無い奈良県にいるので、特に新鮮な魚を使った食事が本当においしかった。貸し切った美術館での鑑賞や、上から見下ろす花火は普段できない体験。熱海は坂が多くて移動が大変なイメージなので、今回のようにホテルや観光スポットへの送迎があるのも便利だった」と感想を話す。県内からの参加者からも「美術館の貸し切りは夢のような体験だった」「料理は日本一おいしいと思った」などの評価が聞かれた。

 ツアーに協力したJTB静岡支店の大石梢さんは「熱海温泉という観光地として、多様な滞在スタイルを提案できれば。参加いただいた皆さんの意見も参考にして、これまでに無い体験ツアーを検討していきたい」と意気込みを見せる。

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