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熱海で「ATAMI ART GRANT」 まちなかにアーティスト50組のアート作品、地域創生に

「coffee house 茶々」で壁画アートを描いた小田佑二さんと店舗スタッフの斧あやさん(左から)

「coffee house 茶々」で壁画アートを描いた小田佑二さんと店舗スタッフの斧あやさん(左から)

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 熱海市内の各所にアーティストが作品を制作・展示するイベント「ATAMI ART GRANT」が11月16日、始まった。主催は「PROJECT ATAMI 実行委員会」(熱海市熱海)。

コシノジュンコさんと中野善壽さんのトークライブ

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 東方文化支援財団(東京都品川区)とACAO SPA & RESORT(熱海)が進める熱海の魅力をアートで再発見する取り組み「PROJECT ATAMI」の一環。公募で選んだ30組のアーティストが「Color ATAMI」をテーマに、熱海市内の宿泊施設や飲食店、屋外施設などに作品を展示する。ACAO SPA & RESORTに1、2ヶ月間宿泊して作品を作る滞在制作型プロジェクト「AKAO ART RESIDENCE」に参加した20組のアーティストの作品の一部も同館に展示して見学できるようにする。計50組のアーティストの作品が熱海の街を彩る。

 カフェ「coffee house 茶々」(清水町)の建物外壁には、アーティスト・小田佑二さんが壁画アートを描いた。小田さんが熱海を散歩した時に目を止めた野生の草花をモチーフに、さまざまな色彩が壁一面に広がる。同店の斧あやさんは「路地裏で目立たない店だったが、きれいでかわいい草花が映える外観になってうれしい。近所の人からの評判もよい」と笑顔を見せる。小田さんは「雨でも消えないので、熱海の街に長く残る作品になれば」と話す。

 宿泊施設「熱海の隠れ里」(東海岸町)は6人のアーティストに展示スペースを提供する。砂時計を使う作品「祈りの装置」を制作した吉良加奈子さんは、7月に発生した伊豆山の土石流災害で受けた感情を作品で形にしたという。「熱海にある一人一人の時間を目に見える形で残したかった」と吉良さん。ストップウォッチを片手に市内を周り、出来事の時間分を落ちる砂の時間に込めた。「作品の売り上げは災害支援金で寄付する予定」とも。

 同館では、藤生恭平さんの木製パネルや海の漂流物で作った作品「フィリピン海プレートに立っているということ」、米澤柊さんのアニメーションと熱海のスポットを融合させた作品「場所たちのいる場所」なども展示する。藤生さんは「制作に充てられる期間が短くて大変だったが、自分の技術の反省にもなったのでよい機会だった。熱海は素敵な所だったので、また来たい」と話す。同館の高市豊仁さんは「施設の空いたスペースをアートで有効的に活用できた。若いアーティストらの活躍の支援につながれば」と期待を寄せる。

 同イベントに先駆けて14日、デザイナーのコシノジュンコさんと東方文化支援財団の代表理事でACAO SPA & RESORT会長の中野善壽さんのトークライブが開かれた。トークライブで、「これが第1回のアートグラントで、10年続ければ市内に300点から400点の作品が残る。こんな街は全国でほかにない。これから住むアーティストが増えることで熱海の空気感が変わる」と中野さん。コシノさんは「アカオのホテル内にはアートがあちこちにあり、普通のホテルではないと感じた。アートによって熱海の印象が変わっていく」と話した。

 12月12日まで。

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