熱海駅前のレンタサイクル店「ATAMI-Tricycle(熱海トライサイクル)」(熱海市田原本町)が12月14日、伊豆山エリアの自転車観光マップを完成させ配布を始めた。
熱海駅前で電動アシスト付き自転車を貸し出す同店。今回、ボランティア団体「テンカラセン」(伊豆山)から土石流災害で影響を受ける伊豆山の観光支援についての相談を受けたことをきっかけに伊豆山エリアの観光マップを制作した。同店の鹿島隆介店長は「熱海・伊豆山の復興に役立てば。坂道の多い地域だが、電動アシスト付きなのでスムーズに移動することができる」と話す。
マップは、伊豆山エリアをよく知る同団体から店や観光施設などの紹介を受けながら約2カ月かけて完成にこぎ着けた。鹿島さんも実際に自転車を走らせて、道路状況や店の場所を確認して回ったという。伊豆山神社の周辺では、住民もよく利用する鮮魚店や精肉店を紹介。走り湯の周辺では、飲食店やガラス体験工房などを紹介する。マップに付けたQRコードをスマホなどで読み込むことで、熱海駅から伊豆山エリアへのルートマップも表示される仕掛けにした。
マップには、主に同店が自転車を貸し出している時間帯に営業している店を掲載し、飲酒運転を考慮して居酒屋などアルコールメニューが主体の店の掲載は控えた。土砂災害の規制区域への立ち入りを避けてもらうために、「事前の安全なルートの確認と交通ルールの順守、被災地へのご配慮をお願いいたします」と注意書きを添えた。
14日、完成したマップを受け取った同団体の高橋一美さんは「とても親しみやすいデザインで分かりやすく、伊豆山に行きたくなるようなマップになっている。自転車で観光に来る人が増えれば」と期待を寄せる。マップに掲載された飲食店「駒子レストラン」(伊豆山)の西川駒子さんは「すてきなデザイン付きで載せてもらえてうれしい。お客さまが自転車に乗って来てくれれば」と笑顔を見せる。
今後、マップは同店の利用者に配布するほか、市内の宿泊施設や観光案内所などに設置するという。鹿島さんは「伊豆山にはまだ観光客に知られていない店がたくさんある。伊豆山の魅力を感じてもらい、観光が盛り上がっていけば」と期待を込める。