熱海で環境活動に取り組む「未来創造部」(熱海市渚町)が6月7日、ブルーカーボンプロジェクトとして海草のコアマモを海底に植え付けた。
藻場や湿地、干潟などが吸収・固定する二酸化炭素を増やすことで温暖化対策につなげるブルーカーボンの取り組みが世界に広がっている中で、同社は2020年からプロジェクトを立ち上げ、藻場の再生に向けた活動などを行っている。
今回は、前日の6日に伊豆・土肥から採取したコアマモを熱海・渚町のムーンテラス沖に移植。今後、GPSや水中ドローンを搭載した調査船と画像解析技術を使いながら、生育状況を観察していく。
昨年、熱海サンビーチ沖に移植したコアマモは、光量不足や土石流災害で発生した土砂の影響などで枯れたという。2年目の今回の移植は、昨年の倍となる約1500株を用意し、昨年より水深の浅い砂地に変えた。7日は、同社の光村智弘副社長らダイバーが海に潜ってコアマモを海底に植え付けた。
海草や海藻は、魚貝類にとっては欠かせない資源だが、近年は環境変化や食害が進み、藻場がなくなる磯焼けが全国的な問題となっている。同社の枝広淳子社長は「藻場を再生し、温暖化対策につなげることに加え、地元の漁業支援や観光、環境教育にも貢献したい」と話し、「ブルーカーボン熱海モデル」を掲げて活動する。
今後について、枝広さんは「夏休み期間には、ブルーカーボンや海洋プラスチックのワークショップを計画している。外部とのネットワークを構築しながら、仲間と一緒にブルーカーボンのプロジェクトに取り組んでいきたい」と話す。