熱海の錦ヶ浦山頂にある観光施設「熱海城」(熱海市熱海)が12月18日、熱海城オリジナルTシャツの販売を始めた。Tシャツの制作は、土産物などをプロデュースする「ハツヒ」(清水町)が手掛けた。
販売するのは、紺地に熱海城をバックプリントに施したTシャツ、白地に真っ赤な熱海城をプリントしたTシャツ、白地に青色の熱海城と打ち上がる花火をプリントしたTシャツの3種類。ハツヒがこれまでプロデュースした熱海の土産物は、8店舗で計20アイテムになるという。同社の高須賀哲さんは「熱海ブランドの土産を作ろうとなったとき、干物や温泉まんじゅうなどの『食』は充実していたが、『物』としての熱海らしい土産が無かった。グッズでまちおこしをしたいと考えた」と振り返る。
同社は「LEGECLA(レジェクラ)」というブランドを作り、2019(平成31)年8月から市内のホテルや喫茶店のTシャツやトートバックをプロデュースする。「レジェクラ」は「LEGEND CLASSICS(レジェンド・クラシックス)」の略。最初に手掛けたのは「風景に魅了された。熱海の象徴でもある」というホテルニューアカオのTシャツだった。「熱海の昭和レトロ感を生かすことで、それが今の若者に好まれると思った」と同社の横須賀馨介さん。1973(昭和48)年創業で、ホテルの建物や看板の昭和レトロなイメージをそのままTシャツのデザインに取り入れた。それを皮切りに、市内の喫茶店「サンバード」「ボンネット」、遊戯施設「ゆしま遊技場」など、「ロゴの印象が強い老舗」のTシャツやタオルなどの土産物を手掛け、これまでに計1500点以上を販売してきたという。
デザイナーの鶴田勇磨さんは「タグにもこだわっている。熱海サンビーチからホテルニューアカオ方面の景色を刺しゅうであしらっている。Tシャツの袋には、各店のインフォメーションカードも封入しており、土産でもらった人も熱海に行きたくなるような仕掛けにしている」と話す。横須賀さんは「商品はそれぞれの店で作ることができたとしても、PRが苦手。自分たちが熱海全体の取り組みとしてブランドを発信することで、話題作りにもなる」と説明する。
今後について、高須賀さんは「県外での催事やポップアップショップで期間限定販売することで、ブランドだけでなく熱海の宣伝にもつなげたい。プロデュースする店やアイテムも増やしていきたい」と意気込みを見せる。
「熱海城Tシャツ」の価格は税別3,800円。