買う

熱海の老舗干物店、干物1枚から送料無料に 農水省の制度使い国が負担

熱海の創業150年以上の老舗干物店「釜鶴ひもの店」二見社長

熱海の創業150年以上の老舗干物店「釜鶴ひもの店」二見社長

  • 55

  •  

 熱海銀座商店街に本店を構える「釜鶴ひもの店」(熱海市銀座町)が12月28日、新型コロナウイルス対策の販売促進事業を活用した「国産の魚介製品通販の送料無料キャンペーン」を始めた。開始から1週間が経過し、売れ行きは好調だという。

自社製造の干物が並ぶ店内

[広告]

 同店は農林水産省の「国産農林水産物等販売促進緊急対策事業」の「インターネット販売促進事業」を利用する。新型コロナウイルス感染拡大により、在庫の滞留や価格の下落を防ぐことを目的とした制度で、送料を国が負担する。同店の二見一輝瑠社長は「会社として通信販売を強化していたタイミングだった。制度の認知度はまだ低いが、このキャンペーンをうまく活用して、通販の売り上げをさらに上げるとともに業務改善にも生かしていこうと考えた」と導入の背景を説明する。

 釜鶴は江戸末期の創業で、二見社長が5代目の老舗干物店。干物店のほか、地元の魚介類を使った和食店、天ぷら専門店を経営する。地物を鮮魚で仕入れ、自社の製造場でその日のうちに干物に仕上げるこだわりが観光客にも支持されてきた。しかし、「新型コロナの影響で、支店は一時休業せざるを得なかった」と二見社長。一方で、「店舗の売り上げは落ちたが、4月、5月の通販売り上げは前年の2.5倍だった。そのおかげで本店は営業を続けることができた」と振り返る。自宅で過ごす人が多かったその時期に、オンラインショップで春のキャンペーンを展開していたことが奏功したという。

 今回の「送料無料キャンペーン」は、干物1枚から全国どこでも発送する。昨年1月に受注システムを導入して効率的に通販に対応できる体制になったことと、昨年の春のキャンペーンを経験したことで会社としても業務改善が進み、今後は通販事業を強化していきたいという。「GoToトラベルの一時停止は、通販にとっては追い風と捉えている。ピンチをチャンスに変えられるよう、チャレンジしていきたい。補助やクーポンが無くても購入してもらえることが大切。これからも鮮度の良い干物を食卓に届けていきたい」と意気込みを見せる。

 キャンペーンは2月28日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース