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網代漁港内に貸しボート「亮知丸」 網代の再興期待し独立開業

網代漁港内の貸しボート「亮知丸」杉坂亮知社長

網代漁港内の貸しボート「亮知丸」杉坂亮知社長

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 網代漁港内で11月1日、貸しボート「亮知丸(りょうちまる)」が営業を始めた。10月に設立されたばかりのリッシュエス(熱海市網代)が経営する。

貸しボートを前に笑顔を見せる杉坂さん

 社長の杉坂亮知さんは生まれも育ちも網代で、子どものころから網代の海で釣りをしたり泳いだりして育ってきた。しかし昨今、陸釣りのトラブルが多発したことなどにより、網代漁港内の陸釣りも禁止になり、今の子どもたちが海で遊びづらくなっていることを危惧していた。新型コロナの影響で働いていた水産会社の職場が5月に閉鎖されたことで一念発起。会社を設立し、開業にこぎ着けた。

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 網代は江戸時代、「京大阪に江戸網代」といわれ、江戸への海路の要衝として活気に満ちた港町として栄えた。一時は「干物銀座」と呼ばれ、40軒以上の干物屋でにぎわっていた時期もあったが、「今では後継者も無く、営業している干物屋は4~5軒程度」と杉坂さん。「育ってきた網代が寂れていくことを見過ごせなかった。網代が好きなので、まちおこしにつなげていきたかった」と独立の経緯を説明する。

 ボートは、定員2人の手こぎボート=12艇、定員3人の船外機付き和船=1艇を用意した。料金は、手漕ぎボート=1日5,000円、和船=同1万2,000円。和船は船舶免許が必要。ライフジャケットは無料で貸し出している。「手ぶらで来て釣りを楽しんでほしい」と、釣りざおや長靴のレンタルもあり、今後は観光客の利用も見込んでいるという。客が釣った魚をさばくスペースや、さばいた魚を保存する真空パック機も備えている。

 ホームページではその日の天候や風、波の様子のほか、釣果情報も随時更新。杉坂さんは「今の時期は港内でもイナダやワラサがよく釣れている。初心者でも楽しんでもらえるはず」と笑顔を見せる。「ルールを守って安全第一でやっていきたい。他の船との接触や潮の流れで沖に流されないよう、しっかり監視し、いざとなればいつでも救援できる準備をしている」とも。

 今後は、干物銀座で休業していた「石山ひもの店」を事業に組み込み、海産物の通信販売も始める予定。「まずは貸しボートに、地道にお客さまが根付いていってもらえれば。そして外からもたくさんの人が網代に来て、宿泊施設や観光施設もさらににぎわってくれたら」と期待を込める。

 営業時間は日の出~15時。不定休(天候による)。