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「熱海の別荘地を活性化」 地元の不動産会社が空き家問題に着手

相模湾を望む「熱海自然郷」のフォレストカフェからの景色

相模湾を望む「熱海自然郷」のフォレストカフェからの景色

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 別荘地「熱海自然郷」を管理するエンゼルフォレストリゾート(熱海市田原本町)がこのほど、貸別荘の運用システム「リゾートシェアリングシステム」を始めた。

熱海の別荘地「自然郷」

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 同システムは、オーナーが所有する物件を同社が借り上げて運用を代行。オーナーは別荘として利用しながら、使わないときは貸別荘として賃貸収入を得ることができるという。同社の木村眞一副社長は「別荘の新しい使い方を提案したい。別荘地の半分以上が未利用の土地や空き家の状態。同社のノウハウを生かして有効活用したい」と取り組みの背景を説明する。

 同社は不動産、建設、ホテル・貸別荘の運営・管理、観光業などを展開するエンゼルグループ(新潟県南魚沼郡)のグループ会社で、熱海や伊豆の別荘地を管理する。2018(平成30)年3月に「熱海自然郷」の管理を受託し、その翌年には、空き家となっている別荘を自社で買い取り、リフォームして再生した上で、宿泊施設として活用する事業を開始。その運用モデルをベースに、「リゾートシェアリングシステム」としてオーナーの募集を始めた。

 木村副社長は「別荘として建てられた建物は頑丈でデザインも面白い物件が多い。しっかりメンテナンスすれば再生することができる。しかも熱海は、首都圏からのアクセス性、海などの自然、温泉地という三拍子がそろった全国でも稀な立地環境。『自然郷』は熱海駅まで車で15分ほど。実際に東京まで通勤している人もいる。価値を高める余地がまだまだある」と話す。

 熱海市が公表する人口動態のうち、2020(令和2)年10月の社会動態は転入者数161人、転出者数161人。同11月は転入者数150人、転出者数131人で19人増加となった。エンゼル不動産熱海店の宮川昌樹店長は「新型コロナによる移動制限解除後、前年の同時期と比較して問い合わせ数も成約件数も120~150%で推移している。特に戸建ての割合が増加している。これまで多かったアクティブシニア層だけではなく、30~40代の層が増えているのは今までに無い流れ。まずはテレワークをしながら東京と熱海で2拠点生活から始めて、将来的な移住を視野に、セカンドハウスを所有しようという人が多い。従って、人口動態としてはっきり表れてくるかどうかはまだこれから」と説明する。

 今後について、木村副社長は「課題は築年数の浅い物件が少ないこと。希望に応えられるように新しく別荘を建設し、供給していく。良いロケーションの場所が多い『自然郷』を拠点として、別荘地を活性化していきたい」と意気込みを見せる。

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