芸人が経営する熱海の定食店「とりかつ屋 あつこ」(熱海市中央町)が2月4日で1周年を迎える。
同店は、お笑いコンビ「健康ゾンビ」の「プッチンあつこ」こと渥美晃平さんが経営する鶏料理専門店。元々は家族が定食店を経営していた建物をうなぎ店に貸していたが、2019年12月で退店。「自分に会いに来てもらえる場所が欲しかった」と同店開業にこぎ着けた。
現在28歳の渥美さんは生まれも育ちも熱海。「子どものころから体が弱く、難病のマルファン症候群と診断され、これまで7回手術を受けた。小学4年のときに医者から『いつ死ぬか分からない』と言われ、そこから好きなことしかやらないと決めた」という。渥美さんは「熱海のスーパースターになるという目標を立てた。昔は熱海市長になろうと思った。熱海出身で有名な人は少ないが、自分が有名になることで、夢を諦めそうな熱海の若い人たちにも、やればできることを見せたい。熱海のキャラクター『あつお』に対抗して、自分の名前の頭文字を取って芸名も『あつこ』にした」と振り返る。
大学卒業後、いったんは放送作家を目指してYCC(よしもとクリエイティブカレッジ)に入校するが、「体が弱いことを理由にしてお笑いの夢を諦めそうになったが、やはり好きなことをやりたかった」とNSC(吉本総合芸能学院)に進んだという。2018(平成30)年にプロになり、現在芸歴3年目。
渥美さんの父は近くでラーメン店「橋三」を経営。祖父は帝国ホテルでシェフをしていたという経歴を持つ。「祖父の得意料理のカニクリームコロッケを、鶏クリームコロッケにして再現した。デミグラスソースで食べるのがお勧め」という「鶏クリームコロッケ定食」や「鶏メンチカツ定食」「チキン南蛮定食」など、定食は全て1,000円。おつまみやドリンクは全て300円で提供する。若い人や地元の人が気軽に通ってもらいやすい価格設定にしたという。
渥美さんは「店は祖母と自分で切り盛りしている。開業してから1年間ずっと新型コロナの影響でダメージが大きいが、リピーターのお客さまに支えられている。お笑いは、吉本のライブやSHOWROOMでの生配信が中心。キングコングの西野さんのようになりたい。多くの人に、『とりかつ屋あつこ』に会いにきてほしい」と力強い言葉で話す。
営業時間は12時~20時。