熱海の干物店「釜鶴」(熱海市銀座町)が5月19日、富士保育園(東海岸町)で毎年恒例の干物開き教室を開いた。
同店が園児の食育を目的に続ける取り組みで、今年で16年目となる。前週に園児らは実際に釜鶴の干物工場も見学していた。この日は、三角巾とエプロン姿に身を包んだ年長組の園児16人が参加した。
初めに釜鶴の二見一輝瑠社長とスタッフからアジの干物の作り方のレクチャーを受けた園児は、小田原漁港で水揚げされたアジをスタッフに手を添えてもらいながら一緒に包丁で開いた。最初は戸惑いの表情を浮かべる園児もいたが、真剣な表情でアジの開きに挑戦。丁寧に開いたアジは一枚ずつ水の中で歯ブラシを使ってきれいに洗い、塩水に漬けた。
40分ほど塩水に漬けたアジは園庭に干し、自宅に持ち帰って家族と食べてもらうという。園児らは「楽しかった」「早く食べたい」と笑顔で話していた。二見さんは「生きているものを『頂く』ということを感じてほしい。海の恵みと家族への感謝の気持ちにつながれば」と期待を込める。