紅茶とスコーンの店「tea_wa（ティーワ）」（熱海市渚町）がオープンして2カ月がたった。

古民家を改装して開放的な店内にした「tea_wa」（関連画像5枚）

　ティーインストラクターの杉山明美さんが昨年11月25日に開いた同店。席数はカウンター席とテーブル席合わせて7席。古民家を改装し、1階の天井を吹き抜けにして開放的な空間に仕上げたという。店の雰囲気に合うようにとアンティークの家具を設置。ドライフラワーや杉山さんの知人の作家が制作した木工作品を飾る。

　2021年7月に発生した伊豆山土石流災害で被災するまではレザー作家として活動していた杉山さん。レザー製品を作るための道具が使えなくなったことで活動できなくなった。「どうしようかと考えていたが、災害で避難していた2022年3月から1年間をかけて、元々興味があった紅茶の勉強を始めた」と振り返る。基礎知識のほか、国産紅茶発祥の地とされる静岡・丸子にある工場に行って実際の紅茶製造も学んだという。

　メニューは紅茶とスコーンのセットのみ。紅茶は、杉山さんが選んだシングルエステートでインド、スリランカ、中国など海外産を使う。シングルエステートとは単一農園産という意味で、他農園産の茶葉をブレンドしていない紅茶を指す。杉山さん手作りのスコーンは、通年メニュー「プレーン」のほか、季節に合わせて「ピスタチオとイチゴ」「ダイダイとチョコ」などを用意する。紅茶とスコーンはテイクアウトにも対応する。杉山さんの好きな版画家「フェリックス・ヴァロットン」の世界観をイメージしたという白黒のデザインをパッケージにあしらった茶葉も販売する。

　今後について、杉山さんは「私のようにお酒が飲めない人は、飲食店に食事に行っても飲み物の選択肢が少ない。飲食店やホテルなどに紅茶のメニューを提案して選択肢を増やす仕事もしていきたい」と意欲を見せる。「店内で紅茶の教室も開けたら。気軽に紅茶を楽しんでもらえる店にしていきたい」とも。

　営業時間は11時～17時。金曜・土曜・日曜のみ営業。