未活用魚の酵母を使ったクラフトビール「FISH BEER(フィッシュビア)あたみでのむビール」の販売が6月1日、ネットショップや熱海市内の宿泊施設で始まった。
市場に出回らない未活用魚を使った商品開発や海に関する教育事業を手がける「熱海千魚ベースプロジェクト」(熱海市銀座町)が開発したクラフトビールの第1弾。熱海で水揚げされた「タカノハダイ」から採取した酵母を使う「ペールエール」で、フルーティーな香りと爽やかな苦みが特徴という。
静岡県工業技術研究所沼津工業技術支援センターと共同で約2年前から進めてきた開発では、未活用魚にまつわる課題を知ってもらおうと魚の酵母に着目。熱海で水揚げされる未活用魚約10種類の20個体から採取した酵母のうち3株がビールに適していたという。酵母を活用することで、限りある資源である未活用魚を大量に使わず有効利用できる。
今後は残りの2株を使って「IPA」などのビールを製造・販売する予定。同プロジェクトの渡辺早紀さんは「海の豊かさについて思いを巡らせてもらう商品になれば。熱海の海を眺めたり旅の思い出に浸ったりしながら、多くの人に楽しんでもらいたい」と話す。
ネットショップでの価格は3本セット=2,775円。