温泉旅館「秀花園 湯の花膳」(熱海市和田浜南町)が6月11日、改装を経てリニューアルオープンした。
同館は1951(昭和26)年創業の温泉旅館。元々は土産物店と食堂を営み、1967(昭和42)年にJR熱海駅前に旅館を開業した。その後、熱海港の目の前に港から市街地を望む景観を生かした露天風呂付き客室を備える同館を開き、現在に至る。
今回の改装は5月10日から休館し、主に外壁の塗り替えと客室の畳の入れ替えを行うとともに、貴賓室2室を含めて11室あった露天風呂付きの客室のうち3室の風呂をリニューアルした。湯船には十和田石を使い、風呂の縁にヒノキと黒御影石を採用して、高級感を演出する。浴槽の内側には照明を仕込み、ボタンを押すと5色に光る仕組みにした。同館支配人の渡辺紘司さんは「露天風呂付きの客室のニーズが高まっている。よりリラックスできる雰囲気と設備にリニューアルした」と説明する。
同館は、以前からユーチューブを積極的に活用し、施設の魅力を発信している。渡辺さんは「最近は20代から30代のお客さまが増えている。同年代の若いスタッフが同じ目線でお客さまが必要としているサービスを率先して考えアイデアを提案できる社風になってきている。実際に、ユーチューブを見て来たというお客さまもいて、スタッフの励みになっている」と笑顔で話す。
今後について、渡辺さんは「当館は料理と接客を大切にしている。今回のリニューアルで外壁をきれいにしているので、入り口から気持ちよく感じてもらいたい。今まで以上に満足してもらえる旅館を目指したい」と意気込む。
7月3日に発生した伊豆山の土石流災害を受けて、同館では、救援・復旧活動に当たる警察、消防、自衛隊などに入浴施設を提供している。渡辺さんは「旅館組合や市と連携を取って、復旧に尽力する皆さんの疲れを癒やせるように協力していきたい」と話す。