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熱海の練り物店・山田屋水産が「温泉タオル」 老舗タオル店と地域連携

企業連携で「THE 温泉タオル」の販売を始めた福島瞳さんと倉田昭さん(左から)

企業連携で「THE 温泉タオル」の販売を始めた福島瞳さんと倉田昭さん(左から)

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 熱海の練り製品加工販売業の「山田屋水産」(熱海市青葉町)が8月15日、地元の事業者と連携した「THE 温泉タオル」の販売を開始した。

温泉マークをあしらう綿100%の「THE 温泉タオル」

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 タオルは、創業50年を超える老舗タオル専門業者「いすゞタオル」(相の原町)が製造。温泉マークと熱海の文字をあしらった。温泉マークは全7色で、1本300円で販売。レインボーセット(7本=1,500円)も期間限定で販売する。山田屋水産の直営店(咲見町)とネットショップで購入できる。

 販売の経緯について、同社の福島瞳取締役は「以前から年始のあいさつ用にいすゞタオルのタオルを配っていた。濡らして使うことを想定した日本伝統の温泉タオルは、自分で使っていても非常に使い心地が良かった。高品質かつ環境にも良いという点が時代に合っている。熱海の温泉文化を発信できればと考えた」と話す。

 タオルは無着色で、漂白剤や蛍光剤など薬剤は不使用。綿100%で石油化学繊維も使われていない。ガーゼを2枚合わせて織る製法「ダブルガーゼ織り」で、適度な泡立ちと吸水性、薄くて乾きやすい特長があるという。いすゞタオルの倉田昭社長は「10年ほど前に、熱海市内の高級旅館向けに国産生地で同様のタオルを作って販売しようとしたが高価で広がらなかった。その後、ベトナムの工場で高品質のタオルを製造し始めたことから、より安価に提供できるようになった。納得のいくタオルができるまで10回以上の試作を繰り返した」と説明する。

 福島さんと倉田さんの共通点は会社の後継者で、福島さんは3代目、倉田さんは2代目に当たるところも今回のコラボレーションに至ったポイントだという。福島さんは「これまでは先代の言う通りやってきた。今後も創業の思いやこだわりを大切にしながらも、自分たちの思いで好きなことにチャレンジしたい」と意気込む。同社は今年1月の農林水産省主催「フード・アクション・ニッポン・アワード2020」で、練り製品にこだわらず新たな発想で開発した「だいだい胡椒(こしょう)」が、受賞10産品に選ばれている。倉田さんは「福島さんとコラボすることで、エコやSDGsへの視点などがものづくりに当たって非常に参考になった」と話す。

 商品の袋詰め作業などは熱海市内の障害福祉サービス事業所「陽光の園」(緑ガ丘町)と連携した。福島さんは「市内の小さな事業所同士がつながる地域連携の取り組みでもある。それぞれの強みを生かしながら、新しいものを作ることも楽しみの一つ。温泉地・熱海の温泉タオルを観光のお客さまが土産物として購入するだけでなく、自分で使うことで熱海旅行を思い出してもらうことにもつながれば」と期待を込める。

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