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熱海・伊豆山で移動カフェがドリンク無料提供 「地域住民の憩いの場に」

10月16日にドリンクを無料提供した移動販売「cafe lacicu(カフェラシク)」

10月16日にドリンクを無料提供した移動販売「cafe lacicu(カフェラシク)」

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 移動販売「cafe lacicu(カフェラシク)」が10月16日、熱海の介護タクシー会社「伊豆おはな」(熱海市伊豆山)のガレージで地域住民に無料でドリンクを提供した。

地域住民の憩いの場になった移動カフェの取り組み

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 同店が取り組む伊豆山土石流災害復興支援の一環として、被災した伊豆山・岸谷地区の地域住民にコーヒーや紅茶、熱海産フルーツのジュースなどを提供。住民の憩いの場を作りたいという思いに賛同した「伊豆おはな」が協力した。

 提供を始めた10時には、出店の話を聞き付けた住民ら20人以上が集まり、コーヒーや熱海産だいだいジュースなどのドリンクを手にして、話に花を咲かせた。岸谷地区に住む女性は「コーヒーがおいしい。普段は道で会ってもあいさつする程度だが、地域のみんなとゆっくり話ができて良かった」と笑顔で話した。

 企画したカフェラシクの佐竹純一さんは「こんなにたくさんの人が来るとは思わなかった。ドリンクは人が集まり話をするきっかけとしてのツールだと思っている。おばあちゃんたちの元気な姿を見られて良かった」と話した。

 「伊豆おはな」は8月の1カ月間、ガレージを支援物資の保管庫として提供した。その間は物資を取りに来る住民らが顔を合わせる機会があったという。伊豆おはなの河瀬愛美さんは「この地区は高齢者が多く、遠くまで行けない人も多い。移動カフェが来ることを楽しみにしているという声をたくさんもらった。ゆっくり座って地域の人が話をする機会ができて良かった。みなし仮設住宅に入っている被災者が一時的に戻って来た時に、現場を見て寂しい気持ちになってしまうが、顔見知りの人と話をして少しでもほっと一息付いてもらえるような機会になれば」と期待を込めた。

 佐竹さんは7月3日の災害発生直後から、マリンスクエアカフェ(渚町)に「伊豆山情報局」として臨時のチャリティーカフェを開設。被災者と支援者が情報交換できる場を提供した。現在もSNSを使い、災害関連の情報を発信し続けている。佐竹さんは「地域の人、みなし仮設に入っている人、ボランティアなどの支援者が交流しゆっくり会話できる機会になれば」と話した。

 次回は10月30日、13時~16時に出店を予定している。

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