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熱海の中華料理店「千寿」が35周年 前身の店から85年、スープ受け継ぐ

開業から35周年を迎えた「千寿」の吉田宏美さん

開業から35周年を迎えた「千寿」の吉田宏美さん

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 熱海・初川沿いの中華料理店「千寿(せんじゅ)」(熱海市渚町)が11月、開業から35周年を迎えた。

ピリ辛の「ネギラーメン」は辛さの要望に応える(関連画像4枚)

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 3代目の店主・吉田宏美さんの祖父・兼造さんが、糸川近くで85年前に「光陽亭」として開業した同店。兼造さんは当時、熱海でバーテンダー協会を設立したほか、光陽亭以外にも複数の飲食店を市内に展開していたという。

 1987(昭和62)年11月に宏美さんの母・千寿子さんが店を継ぎ、店名を「千寿」にしてから現在の場所で商売を続ける。現在は、ランチタイムは宏美さんが運営し、83歳の千寿子さんは今でも夜の営業で店に立つ。今年4月、千寿子さんは骨折して店に立てない日が続いたという。宏美さんは「年も年なので、もう続けるのは難しいかと覚悟はしたが、おかげさまで復活することができた。母にとって店があることが元気の秘訣(ひけつ)」と話す。

 ランチタイムは麺類を中心に提供し、夜は中華料理もそろえる。こだわりは、光陽亭の創業当時から受け継いだレシピで作る自家製のラーメンスープで、香味野菜の香りがするのが特徴。ピリ辛の「ネギラーメン」、自家製みそを使ったランチ限定「味噌(みそ)ラーメン」(以上990円)、「サンマーメン」(1,100円)などが人気だという。

 宏美さんは「昔、渚町はもっとにぎやかで、初川沿いにも屋台が出ていた。お酒を飲んだ後の締めで来店するお客さまも多く、深夜までにぎやかだった」と振り返る。今でも深夜営業して、酒を飲んだ後の客や閉店後の周辺飲食店の客を迎え入れる。宏美さんは「熱海が大きく変化する中で、大変な時期も乗り越えてやって来られた。祖父が作り、母が受け継いできた変わらぬ味を、これからも大事に守っていきたい」と話す。

 営業時間は11時11分~16時ごろ、21時30分ごろ~翌1時ごろまで。

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