熱海商工会議所は2月1日から、市内の飲食店やタクシーで使うことができる「17時(ごじ)からクーポン券」の応募を受け付けている。市内の飲食店などから成る熱海料飲連合会でも、SNSなどを通じて動画で店内の感染症対策を配信するなど、新型コロナウイルス収束後の集客をにらみ、準備を進めている。
「17時からクーポン券」は1冊1万円で販売。1,000円券15枚つづりで計1万5,000円分のクーポン券から成る。1人2冊まで購入することができる。クーポン券を使うことができる店は、市内の取扱登録した飲食店、スナック、バー、クラブ、居酒屋。店の行き帰りで利用するタクシーでも使うことができる。
熱海商工会議所の太田最己事務局長は「現時点でクーポン券が利用できる店は市内140店ほどとタクシー会社7社。利用開始の4月までに200~250店まで増やしたい。首都圏の緊急事態宣言により、市内の飲食店は集客に困っている。3月以降には解除され、新型コロナウイルス感染症対策を取ったうえで、市内の飲食店を支援していきたい」と話す。
クーポン券の購入は、往復はがきによる事前申し込み制。4000冊を準備し、応募数が多かった場合は抽選となり、同会議所で当選はがきと引き換えで購入できる。「熱海はネットを使えない高齢の方も多いので、旧式だが往復はがきによる申込方法にした。既に約2000冊の応募があり、順調。市民だけでなく今後熱海に観光を予定している方にも利用してもらえれば」と呼び掛ける。応募は3月12日締め切り。クーポン券の利用期間は4月1日~9月30日。
首都圏からの観光客が多い市内の繁華街は首都圏の緊急事態宣言の再発出以降、自主休業する店が目立つ。休業協力金は対象外のため、自己資金や借入で耐えながら緊急事態宣言の解除後を見据えた独自の集客に頼るほか無い状況。
市内の飲食店など約100店で構成する熱海料飲連合会では、飲食店の紹介や感染症対策を動画にし、SNSを使って配信している。2月3日に始め、現在5店を配信した。同連合会の土屋公泰さんは「新型コロナの影響が落ち着いたころに、安心して足を運んでほしいと思って始めた。店に対して感染症対策のサポートもしている。今後も紹介する店を増やしながら、情報を発信していきたい」と意気込みを見せる。