熱海の「nagisArt cafe(ナギサートカフェ)」(熱海市渚町)が5月1日、アカオハーブ&ローズガーデン(上多賀)に移動式カフェ「cafe trunk LAMP(カフェトランク ランプ)」を開業した。
渚町の裏路地で2020年5月に開業したナギサートカフェ。フランスの郷土料理「キッシュ」やスープなどを、全て手作りで提供する。1周年を迎える5月1日に合わせて、ランプの開店にこぎ着けた。
店主の斎木香織さんは御殿場市出身。飲食店などで接客業に長く携わった経験を生かして独立を計画していたときに、現在のナギサートカフェの物件と出合った。「沼津や三島での出店も考えていたが、この物件や物件オーナーとのフィーリングで即決した」という。元々のレトロさを生かしたという店内には、斎木さんのセンスで家具や小物をそろえた。
一方で、緊急事態宣言の発出による影響を受け、新たな販売方法も模索してきたという。斎木さんは「キッシュのテイクアウトが好評だった。店でお客さまを待っているだけというスタイルではなく、移動販売でいろいろな場所に商品を届けていきたいと考えていたときに、アカオハーブ&ローズガーデンを紹介してもらった」と、経緯を話す。
ランプのコンセプトは、「旅するアンティークカフェ」。アンティークなデザインの移動販売車にトランクなどのオブジェをあしらう。「ナギサートカフェの雰囲気をそのまま外に持ち出したいと思った。灯りに人が集まってくる思いを込めて『ランプ』と名付けた」と斎木さん。販売車では、看板メニューの焼きたてのキッシュ(450円)のほか、フランスの焼き菓子「カヌレ」(350円~)、日替わりスープ、桃とバラのデザートスープ(以上、550円)、生搾りフレッシュジュース(630円~)、ハーブの「エルダーフラワースカッシュ」(600円)などを提供する。
キッシュは一般的な三角形ではなく、丸い形の手のひらサイズにした。「食べ歩きしやすいということと、人が丸い円(縁)でつながるという意味を込めている」と斎木さん。「販売車がいろいろな場所に旅をすることで、そこでの人との出会いや縁、つながりを大切にしていきたい。今後は、近隣地域でのイベント出店や、他の店とのコラボなどもできたら。店のことをもっと知ってもらうことが、魅力ある渚町に人が集まってくることにつながれば」と期待を込める。
アカオハーブ&ローズガーデンでの営業は6月20日まで。営業時間は11時~16時(雨天時は変動あり)。火曜・水曜定休。