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熱海・伊豆山の被災したペット世帯の住宅支援 兵庫県のNPOが助成金

被災したペット世帯の生活再建サポートを始めた「日本レスキュー協会」の辻本さん

被災したペット世帯の生活再建サポートを始めた「日本レスキュー協会」の辻本さん

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 NPO法人「日本レスキュー協会」(兵庫県伊丹市)がこのほど、熱海・伊豆山の土石流災害で被災したペットを飼っている世帯の生活再建サポートを始めた。

災害救助犬やセラピードッグの育成・派遣、動物福祉・保護活動などを行う

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 災害救助犬やセラピードッグの育成・派遣、動物福祉・保護活動などを行う同協会。「犬とともに社会に貢献する」という理念を掲げて1995(平成7)年に設立し、全国の被災地などで活動している。

 7月3日に発生した伊豆山の土石流災害では、発生直後から現地入りし、消防や警察と連携して災害救助犬による行方不明者の捜索活動を行った。熱海市の災害ボランティアセンターにも登録。行政や地元の動物保護団体とも連携を図っている。

 熱海で活動を進める中で、ペットを飼っている世帯の住居に関する問題が明らかになったという。同協会の辻本郁美さんは「これまでの被災地でのペット世帯の生活支援は、ペット用品の無償提供などが主な活動だった。今回はさらに、避難所から次の住まいに移る段階の支援。他の被災地でも、ペット世帯の住まい探しは難しいことを聞いていたが、熱海は物件自体が少なく、ペットと入居可能な物件はさらに少ないことを目の当たりにした。飼い主も先行きが見えないことに不安になってしまうので、地元の不動産会社に相談して、住まいのサポートを始めることにした」と説明する。

 新たな支援策は、家主がペット入居可物件として提供した場合、原状回復費用の一部として、家主に同協会が上限10万円を助成する。行政の家賃補助の支援が受けられない場合、ペット可能な民間住宅に入居するための費用の一部として上限10万円を同協会が助成する。資金は、同協会が立ち上げた「令和3年7月豪雨災害」の寄付金の一部を使う。

 現在、行政から移転候補先として提供されている公営住宅はペットを連れた入居は認められていない。民間住宅も熱海市内のペット可能物件はほぼ無く、市外に数件ある程度。辻本さんは「市外だと住民が離散してしまい、コミュニティーの問題もある。ホテルに避難している被災者の中で、ペットを飼っている世帯は少なくとも20世帯あり、今は知人や親戚、動物病院などに預けていると聞いている。ホテル以外に自主避難している世帯もあり、ペット可能物件はさらに必要と想定される」と話す。

 辻本さんは、熱海市内の不動産会社に協力を仰ぎ、原状回復費用の10万円の助成をPRしながらペット可能物件の収集に当たっている。活動をスタートしてから、数件のペット可能物件の提供があったという。

 同協会の活動に協力するマチモリ不動産(熱海市銀座町)の三好明社長は「伊豆山の土石流災害によって、熱海の住宅問題が顕在化した。住宅の耐震化や今回のペット可能物件もその一つ。熱海に暮らしたいにもかかわらず、住める物件が少ない。大家、不動産会社、行政が熱海の住宅問題が社会問題であることを認識し、住宅の選択肢を増やしていくための行動が必要」と話す。

 辻本さんは「まずは被災者が行政補助を受けられるペット可能物件を増やすこと、それに当てはまらない場合でも協会の助成で被災者とペットが早く一緒に住める支援を行っていきたい」と話す。今後は、ペットの防災にも力を入れていきたいという。辻本さんは「熱海で自主避難している人から、飼育環境が変化したことによるしつけやケアの相談も受けている。これから先、さまざまな災害が起きると考えた時に、ペットと同行避難しなければならないことも想定して、しつけなどペットの防災活動を他の団体と連携して啓発していけたら」と話す。

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