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「ペットの命を救いたい」 伊豆山の土石流災害で熱海の猫保護団体が呼び掛け

続々と届くペット用の支援物資を運び込む那須さん(右)とスタッフら

続々と届くペット用の支援物資を運び込む那須さん(右)とスタッフら

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 熱海で猫の保護・譲渡活動に携わるNPO法人「くすのき」(熱海市咲見町)が現在、伊豆山で発生した土砂災害により居場所を失った猫・犬の保護活動を行っている。代表の那須みかさんは、被災したペットの命を守る行動を呼び掛ける。

呼び掛けに応じて全国からペット用の支援物資が届く

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 那須さんは17年前に熱海で猫の里親探しの活動を始め、2008(平成20)年に団体を設立。今年、NPO法人化して、「譲渡型ねこハウス Temple Cat」を拠点に保護猫の譲渡会、地域猫活動などを行っている。

 那須さんらは、7月3日に伊豆山で土砂災害が発生した直後から、取り残された猫・犬の救出と保護を始めた。飼い主から要請があった場合には、規制区域内の飼い主の自宅へ救出に向かうほか、同店に飼い主が持ち込んだ猫・犬の保護を行っている。被災者は4日から市内のホテルなどに避難しているが、ペットの居場所は無く、現時点で行政からもペットに対する明確な救出・保護の指針は出されていない。災害が発生した3日以降、同団体では猫と犬を合わせて15匹を保護している。保護した猫は、同団体が管理するシェルターで保護し、飼い主と面会できる。

 同団体では、SNSやホームページなどを使って、救出のときに使う必要品やペットフードなどの支援物資の寄付を呼び掛けたところ、全国から物資が届いている。那須さんは「ありがたいことに置き場が無いくらい物資が届いている。今後は、猫・犬の受け入れなどに使うための支援金の寄付を検討してもらえれば」と話す。

 一方で、「保護できていない猫や犬はまだまだたくさんいるはず」と那須さん。「残念ながらすでに土石流で流されてしまった猫や犬もいると思うが、規制区域内にとどまっているケースもあるはず。現時点でペットの相談件数は少な過ぎる。再び土砂災害が起きたり、家が崩れたりするかもしれないので、そのままにせず、遠慮なくこちらに連絡してほしい」と力を込める。今週末からは、全国の被災地で活動する動物レスキュー専門の団体と連携した活動を始める予定だという。

 那須さんは「ペットと同行避難している人は、店に寄付された物資があるので取りに来てもらえれば。餓死しないように、ペットの命を一つでも多く救いたい。預かりに困っている人、被災地に残して来たペットが心配な人は、遠慮なく連絡してほしい」と呼び掛ける。

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