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JR熱海駅に伝統工芸品「熱海楠細工」 梅をモチーフに熱海の魅力発信

JR熱海駅の新幹線コンコースに設置された「熱海楠細工」

JR熱海駅の新幹線コンコースに設置された「熱海楠細工」

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 JR熱海駅の新幹線コンコースの壁面にこのほど、熱海の伝統工芸品「熱海楠細工(あたみくすざいく)」が登場し、駅利用客の目を引いている。

梅の花をモチーフにした熱海楠細工

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 設置場所は、新幹線コンコースの上り方面エスカレーター下、2カ所の壁面部。熱海市花である梅の花を模した大小の楠細工が壁面を彩る。エスカレーター周辺の改良工事に合わせて設置され、12月にお披露目された。JR東海静岡広報室の森孔明さんは「熱海梅園の梅の花をモチーフにした楠細工を使うことで、東海道新幹線を利用されるお客さまに熱海の魅力を伝えたいと考えて設置した」と経緯を説明する。

 熱海楠細工は静岡県が認定する伝統工芸品の一つ。その始まりは1837(天保8)年、台風によって熱海不動沢のクスの大木が倒れ、木目の美しさに引かれた村人らがクスを材料に作った日用品といわれている。旅館などで使われるクスで作られた盆やわん、小箱などが湯治客に評判となり、次第にたんすなどの家具にも使われるようになった。伊豆一円にはクスが豊富に生育しているものの、プラスチック製品の広がりによって需要は減少し、熱海楠細工の職人や事業所も数えるほどになっている。

 熱海楠細工は木地に直接、天然漆をふんだんに塗り込み、色あせの少ない仕上がりになる。さらに、年月がたつに連れて「熱海楠細工の命」ともいわれる美しい木目が浮き出てくるという。森さんは「熱海楠細工の職人が製作した工芸品を通して、熱海駅から熱海の魅力を発信できたら」と期待を込める。

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