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南熱海エリアに若い力 移住して宿泊施設運営へ

熱海に移住して宿泊施設の運営を始めた長瀬勝彦さん

熱海に移住して宿泊施設の運営を始めた長瀬勝彦さん

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 熱海に移住した若者が2月1日、宿泊施設「熱海紅楼(アタミコウロウ)」(熱海市下多賀)の運営を引き継いで営業を始めた。夏ごろには、新名称でリニューアルを予定する。

運営を引き継いだ宿泊施設「熱海紅楼」

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 運営を始めたのは、東京から移住した長瀬勝彦さん。新会社「松尾観光研究所」を設立し、メンバーと共に熱海紅楼の運営をしながらリニューアルの準備にいそしんでいる。

 現在23歳の長瀬さんは、湘南エリアに生まれて京都で育った。立命館大学に在学中には、学生起業をして琵琶湖や瀬戸内海でSUPツアー事業を立ち上げた。ホテルを展開する会社でのインターンも経験。「将来、ホテル事業をすることが大学時代からの目標だった」と長瀬さんは話す。

 大学卒業後、都内の不動産会社に就職。「20代後半に独立したいと考えていたが、縁があって南熱海で熱海紅楼に出合い、23歳で独立することにした」と決意への道のりを話す長瀬さんは「熱海の人たちと知り合う機会があり、人の温かさに触れた。自分たちの夢を応援してくれた」と振り返る。

 長瀬さんたちが運営を始めた宿泊施設「熱海紅楼」は、相模灘を望む高台にある。近くには長浜海浜公園や網代港があり、海と山に囲まれた場所。「市街地のような観光エリアではなく、漁師町として栄えた地元の生活を感じられるところに引かれた。日常を非日常として体験できるような場所が、今後の観光には大切になってくる」と長瀬さん。「特に若い観光客は、誰かと同じではなく、自分だけが知っている場所や体験を探している。すてきな場所が南熱海にはまだたくさんある」とも。

 熱海紅楼として運営しながら室内の改装に当たり、今年夏ごろを目安に名称も「HOTEL 2YL ATAMI」に変えてのリニューアルオープンを予定する。長瀬さんが得意とするSUP体験など、地域資源を活用した取り組みも計画しているという。

 今後は長瀬さんのほか、大学時代の同級生3人も本格的に事業に合流する。現在他のメンバーは、ホテルの運営などを手伝いながら、移住の準備を進めているという。長瀬さんは「まずはこの事業をしっかり立ち上げてお世話になっている人たちに還元したい。南熱海エリアを盛り上げて魅力を発信していきたい。将来的には、空き家問題や後継者不足など熱海が抱える課題を解消していくために、挑戦したい若者と熱海とをつなぐ架け橋のような役割を担えたら。若者のチャレンジを後押しして熱海に貢献していけるようになりたい」と意欲を見せる。

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