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熱海・伊豆山に薬局「123」 被災地の住民に「安心できる場所を」

薬局「123」を開業した薬剤師の千葉久義さん

薬局「123」を開業した薬剤師の千葉久義さん

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 熱海市伊豆山の土石流災害から1年がたった伊豆山地区に7月3日、薬局「123(いずさん)」(熱海市伊豆山)がオープンした。

相談スペースから望む相模灘(関連画像6枚)

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 開業したのは、昨年7月3日に発生した土石流で自身も被災した薬剤師の千葉久義さん。国道135号沿いの千葉さんの自宅は、土石流の直撃は免れたが、水道管の破損により水浸しになり、一部損壊の判定を受けた。

 薬局を開いた自宅ビルの1階は、かつて祖母の八重子さんが薬局を営んでいた場所。昭和40年頃から20年ほどの間、地域にとってなくてはならない薬局として親しまれた。その後、父・修義さんが引き継いで薬店として運営していたが、約20年前から空いた状態で物置として使っていたという。

 千葉さんは被災当時、市内の薬局に薬剤師として勤めていたが、被災した伊豆山の高齢者らの困り事を耳にしたことがあるという。「伊豆山には薬局がなく、地元で生まれ育った自分が地域医療に貢献したいと思った」と話す千葉さんは、独立しての薬局開設を決意した。

 7月3日の開店を目標に4月から準備を始め、薬局を開業するために必要な申請や備品の購入などを進めた。3日までに全ての許可が下り、無事に開業にこぎ着けた。店内は、できる限り八重子さんが薬局を営んでいた当時の面影を残し、明るい雰囲気になるようにと海を望む場所に相談スペースを設けた。

 店内では、処方せん調剤のほか、市販薬や日用品、飲料なども販売。在宅訪問にも対応する。今後、利用者に介護用品など必要なものを聞きながら品ぞろえを増やしていきたいという。

 高齢化が進み、人口減少が続く伊豆山地区では唯一になる薬局を開業した千葉さんは「地域に愛される薬局を目指したい。この先、復興には時間がかかるので、自分が役に立てるお手伝いができれば。健康の相談や気軽に立ち寄れる地域の住民にとって安心できる場所にしたい」と話す。

 営業時間は9時~17時30分(土曜は13時まで)。日曜・祝日定休。

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