展示会「クレヨン王国ワールド2022」が3月5日、旅館「新かどや」（熱海市小嵐町）で始まった。主催は「クレヨン王国ワールドを広める会」。

アニメ放送当時のおもちゃやグッズを展示する

　「クレヨン王国」の原作者で、熱海で生涯を過ごした福永令三さんの没後10年と、アニメ「夢のクレヨン王国」が放送25周年を迎える節目とに合わせて開催した。

　会場では、いずれも初公開となるクレヨン王国シリーズの令三さん直筆原稿や「月のたまご」シリーズの表紙絵原画が来場者の注目を集めた。アニメ「夢のクレヨン王国」放送当時に販売していたおもちゃやグッズも展示。熱海にゆかりのある作品の上映も行っている。

　会場に飾ったこいのぼりは、令三さんと長女・桜さんの思い出の品という。桜さんは「子どもの頃にこいのぼりの中に入って遊んでいたとき、父がこいのぼりをねじって出られないようにした」と、当時を振り返る。このエピソードが「クレヨン王国の十二か月」でシルバー大妃を飲み込んだ「太郎ゴイ」の場面の題材になったという。

　桜さんは「クレヨン王国は優しいお話で、出てくるキャラクターに悪い人がいない作品。殺伐とした世界になっているが、せめてここでは癒やされて元気になってもらえれば」と話す。展示会に先駆け2月から、熱海市内のクレヨン王国ゆかりの場所を巡るスタンプラリーも始まっている。桜さんは「作品にも登場する熱海の豊かな自然や歴史を味わってもらい、クレヨン王国の世界を楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。

　開催時間は11時～16時。火曜休催。入場料は300円。