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熱海・伊豆山の「ハコスコ」がメタバース空間に新オフィス メタストア積極展開へ

伊豆山の本社を再現したメタバース上の「ハコスコ」オフィス

伊豆山の本社を再現したメタバース上の「ハコスコ」オフィス

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 メタバースサービス「メタストア」の提供やVR(バーチャルリアリティー)技術を使ったサービス開発を手がける「ハコスコ」(熱海市伊豆山)が3月18日、メタバース空間で新オフィスお披露目イベントを開いた。

バーチャル会場をつないでイベントを開催したリアル会場(関連画像4枚)

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 医学博士・脳科学者の藤井直敬社長と妻の太田良恵子副社長が経営する同社は、「現実を科学し、ゆたかにする」をテーマに掲げ、VR技術など最新テクノロジーの実験やサービスを展開する。数年前に本社を東京に残して熱海・伊豆山に移住した2人は、2021年6月に自宅近くの廃屋を改装して現実科学の実験空間「ハコスコカフェ」をオープン。デジタル技術の実験やイベント開催などに活用してきた。昨年11月には、メタバース上に店や展示スペースを開設できるECサービス「メタストア」を始めた。

 メタストアは、メタバース上のバーチャル空間に店を開設したり、作品などを展示したりして、実際にその場を訪れているような臨場感とコミュニケーションを図りながら買い物や鑑賞などの機会を提供するサービス。藤井さんは「3月に本社を東京から伊豆山に移転し、本社機能もメタバース空間に置いた。スタッフたちはメタバース内のオフィスに出勤する。バーチャル空間でコミュニケーションを取れるように強制的にシフトした。メタストアを展開する上で、自分たちがまずここに身を置いて、改善に生かせるようにしたいと思った」と話す。

 お披露イベントは、伊豆山の実在のオフィスとメタバース上のバーチャルオフィスからオンラインでゲストと参加者をつないで開催。サザコーヒー(茨城県ひたちなか市)の鈴木太郎社長と「熟成肉『格之進』」ブランドを展開する「門崎」(岩手県一関市)の千葉祐士社長を招きトークショーを行った。メタストアに「格之進」販売店を出店している千葉さんは「メタストアはお客さまに人間力が伝わることでエンゲージメントの高い関係を作ることができる。昔の対面販売のようなイメージ」と話す。

 メタストアの利点について、藤井さんは「通常のECサイトとの違いは、販売者から直接話を聞きながら商品を購入できること。販売者と消費者とのリアルなつながりをオンラインで再現している。商い、コミュニティー、展示の3テーマを設定している」と話す。

 藤井さんによると、メタストアには現在、アパレルショップ、ギャラリー、大学のキャリアセンターなど約200件の事業が登録しているという。「メタストアといっても一般的な店と一緒で、出店すれば勝手に売れるものではない。業態や目的によって運用の仕方は異なる。伴走しながらメタストアの成功事例を作っていきたい」と意欲を見せる。

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