熱海市消防本部で9月15日、高規格救急自動車の寄贈式・配備式が行われた。熱海市伊豆山在住の原谷治美さんが、救急自動車1台と電動ストレッチャー1台を寄贈した。
寄贈された高規格救急自動車「HARU MIMI号」(関連画像5枚)
原谷さんはNHKハングル講座の元講師で、国際会議やNHKワールドニュースの同時通訳などに携わってきた。今回の寄贈は、2025年2月に愛犬「MIMI」が旅立った後、遺品整理中に自宅で転倒し、熱海市の救急車で市内の病院へ搬送されたことがきっかけとなった。
自身が救急搬送された経験から命の大切さを改めて感じ、緊急時に命を助ける使命を担う救急車を寄贈したいと考え、熱海市に申し込んだ。寄贈には、文化財の保護や地域・社会への貢献、動物愛護などを特徴とする寄贈・寄付文化を、より広く地域や社会に根付かせたいとの思いも込めたという。
寄贈された高規格救急自動車は「HARU MIMI号」と名付けられた。排気量2.48リットル、パートタイム4輪駆動で、全長533センチ、全幅188センチ、全高249センチ。乗車定員は7人。
車両には、傷病者や周囲の歩行者、車両などへの配慮を目的とした支援システムを搭載。救急車への収容時や住宅街、病院敷地内で光量を落として刺激の少ない点滅に切り替えられる可変ビーコンのほか、障害物を検知するコーナーセンサーや歩行者への接触を回避する緊急ブレーキ、車両周辺を確認できる全方位カメラなどを備える。
同時に寄贈された電動ストレッチャーは、電動で昇降できるタイプ。傷病者の搬送時の振動を抑え、安定した操作を可能にするほか、救急隊員の負担軽減にもつながる。
原谷さんは「これまで受けた恩を、大好きな熱海に還元したいという思いで寄贈した。一人でも多くの大切な命を救うことに役立ててもらえれば」と話す。「もう1台寄贈したい」とも。
斎藤栄熱海市長は「今回の配備が、救命率の向上につながることを期待している。消防職員一人一人が使命感と責任感を持ち、市民や観光客の安全のため、これまで以上に努めていきたい」と力を込める。